ビジネスでは、人と人との結び付きが商機を拡大します。
今回の「お取次ぎいただけますと幸いです」も、そのような場面で使用されるフレーズであり、これより解説いたします。
「お取次ぎいただけますと幸いです」とは?
まず「取次ぎ」の意味から確認しましょう。
「取次ぎ」とは、「仲介すること」や「連絡すること」または「自分の名義で委託販売すること」です。
この場合は、「仲介すること」や「(自分のために)相手が(知り合いに)連絡すること」という意味で使用されています。
また、このフレーズでは、「お(ご)〜いただける」という、「(立てるべき相手に)〜してもらえる」を意味する謙譲表現構文が使用されていることもキーポイントです。
いわゆる「お(ご)〜いただく」で使われる「いただく」という謙譲語に、可能の意味合いを付加したものが「いただける」という言葉だと理解しましょう。
実際には、「いただける」の連用形「いただけ」に、丁寧表現を作る助動詞「ます」の連体形が付いて、接続助詞の「と」につながる、「いただけますと」という形でこのフレーズでは使用されています。
更に「幸いです」は、「ありがたいです」や「嬉しいです」ということを「幸せ」を意味する「幸い」を用いて表現したものです。
よって、「お取次ぎいただけますと幸いです」とは、「仲介してもらえるならば嬉しいです」という意味を、謙譲表現を用いて表したフレーズということになります。
「お取次ぎいただけますと幸いです」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
何らかの理由で、相手に「自分と相手の知り合いとを仲介」してもらいたい場合に用いられるフレーズです。
例えば、新しい取引先開拓のために、狙っている会社と付き合いのある相手に仲介してもらいたいという意図で、「お取次ぎいただけますと幸いです」と伝えます。
「お取次ぎいただけますと幸いです」を使った例文
それでは、実際の使用例をいくつか挙げてみましょう。
・『高木物産の社長とお知り合いとのことで、お取次いただけますと幸いです』
・『売上拡大のため、どなたかお取引いただけそうな方にお取次ぎいただけますと幸いです』
「お取次ぎいただけますと幸いです」の類語による言いかえ
既に説明した通り、「取次ぎ」が「仲介(のための連絡)」や「連絡」という意味から、それらで代用可能です。
また「いただけますと」は、「してくれる」を意味する「してくださる」を用いて「してくだされば」で言いかえましょう。
最後の「幸いです」については、「助かります」や「ありがたいです」で代用します。
以上のことから、「仲介してくだされば助かります」や「連絡してくださればありがたいです」という言いかえ表現ができます。
まとめ
「お取次ぎいただけますと幸いです」は、相手に仲介役になってもらいたい場合に、丁寧に依頼するためのフレーズです。