ビジネスでも、相手への催促や督促という行為はなかなかやりづらいことの1つではないでしょうか。
「お振込み状況をご確認いただけますでしょうか」は、そのような場合に用いるフレーズで、今回はこれについて解説いたします。
「お振込み状況をご確認いただけますでしょうか」とは?
「お振込み」とは言うまでもなく、「銀行口座への振込み」のことであり、「振り込み」や「振込」などと表記することもあります。
「お」は敬語表現の接頭辞であり、この場合は相手の行為ですから、尊敬表現を作るための「お」と考えましょう。
「状況」については、「その場面の有り様」という意味です。
「ご確認いただけます」の部分は、「ご(お)〜いただく」という「(相手に)〜してもらう」という意味の謙譲表現の定型を、丁寧表現の助動詞「ます」を付けて更に丁寧な形にしたものです。
この場合の「確認」は、「調べて確かめる」という意味で使われており、「いただく」を「ます」を付けるため「いただけ」という連用形に変えたのが「ご確認いただけます」という形です。
尚、「ます」は続く「でしょうか」との関係で「連体形」となっています。
最後の「でしょうか」は、丁寧な断定の助動詞「です」の未然形「でしょ」に、推量の助動詞「う」の連体形が付き、最後に疑問の終助詞「か」が付いた形です。
「ですか」を推量の助動詞「う」を用いることで、断定の度合いを「ですか」より下げ、柔らかくした丁寧表現です。
以上のことから、「お振込み状況をご確認いただけますでしょうか」というフレーズは、「振り込みしたかどうか確認してもらえますか」という内容を、謙譲表現と丁寧表現を用いて相手に配慮しつつ、「払っていないのであれば払ってください」と催促する意図があります。
「お振込み状況をご確認いただけますでしょうか」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスにおいて、支払いを催促するということは、相手の気分を害する可能性があります。
更に、万が一相手が支払いを済ませていたにもかかわらず、自分側のミスで確認できていなかった場合は、致命的なミスとなってしまう恐れもあるでしょう。
そのため、ある程度の支払いの遅れについては、求める側も一定程度丁重な言動をする必要があり、このフレーズはその状況に合った内容となっているのです。
具体的には、「お支払いの期日が過ぎましたが、お振込みを確認できておりません。
お振込み状況をご確認いただけますでしょうか」のような形で用います。
「お振込み状況をご確認いただけますでしょうか」を使った例文
それでは、他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・『入金が確認できておりませんので、お振込み状況をご確認いただけますでしょうか』
・『よろしければお振込み状況をご確認いただけますでしょうか』
「お振込み状況をご確認いただけますでしょうか」の類語による言いかえ
「お振込み」については「お支払い」で代用しましょう。
「状況」については、特に重要な意味はないので、この部分は省略できます。
「ご確認いただけますでしょうか」の部分は、要は「支払ってくれましたか」ということを謙譲且つ丁寧表現にした形なので、全体として「お支払いいただけましたでしょうか」とすれば、言いかえとしては、十分問題ない表現と言えるでしょう。
まとめ
「お振込み状況をご確認いただけますでしょうか」とは、相手の支払いの振込みがない場合に、相手に支払いを催促しつつ、相手の気分を害さないように謙譲表現と丁寧表現に加え確認の疑問形を用いたフレーズです。