この記事では、「お納めくだされば幸甚に存じます」の使い方について分かりやすく説明していきます。
「お納めくだされば幸甚に存じます」とは?
「お納めくだされば幸甚に存じます」は、相手に差し出した金品を是非受取って欲しいとお願いする丁寧な表現です。
「お納め+くだされば+幸甚+に+存じます」で成り立っている語で、「お納め」の「お」は尊敬語の接頭辞、「納め」は動詞「納める」の連用形で「金や物などを受け取って自分のものとする」という意味、「くだされば」は動詞「もらう」の謙譲語「ください」の仮定形「くだされ」+助動詞「ば」、「幸甚」は「この上なく幸せであること」という意味、「に」は接続助詞、「存じます」は動詞「思う」の謙譲語「存ずる」の連用形「存じ」に、丁寧語「ます」が付いた語、全体で「金品を受け取ってもらえればこの上なく幸せにおもう」の敬語表現になります。
「お納めくだされば幸甚に存じます」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「お納めくだされば幸甚に存じます」は、目上の人にうやうやしく金品を渡す時に使われます。
「幸甚に存じます」がついているので、単なる受け渡しではなく、謝礼金や奉納金、お礼の品物など、相手に失礼のないもので、こちらからお願いしてでも受け取ってもらいたいものに使いましょう。
「お納めくだされば幸甚に存じます」の正しい敬語表現
「お納めくだされば幸甚に存じます」の正しい敬語表現は以下の通りです。
『お納め賜りますと幸甚に存じます』
「賜りますと」は動詞「もらう」の意の謙譲語「賜る」の連用形「賜り」に、丁寧語「ます」、接続助詞「と」が付いた語で、最上級の丁寧な表現になります。
「お納めくだされば幸甚に存じます」を使った例文
「お納めくだされば幸甚に存じます」を使った例文は以下の通りです。
『心ばかりのお品物でございますが、お納めくだされば幸甚に存じます』
目上の人にお中元やお歳暮、お土産などを渡す時に使われます。
『ほんのお礼をお持ちいたしましたので、お納めくだされば幸甚に存じます』
「お礼」と言う場合、品物よりも「金銭」を表すことが多くなります。
「お納めくだされば幸甚に存じます」の類語や言い替え
「お納めくだされば幸甚に存じます」の類語や言い替えは以下の通りです。
『お納めくだされば光栄です』
「光栄です」は「名誉に思う」、つまり「嬉しく思う」という意味で、「幸甚」ほど堅苦しくなく、「くだされば」に続けて使うのに適しています。
『お納めいただければ光栄です』
「いただく」は動詞「もらう」の謙譲語で、主体が自分になりますが、「くださる」と同じ使い方をします。
『ご笑納くだされば幸甚に存じます』
「ご笑納」の「ご」は尊敬語の接頭辞、「笑納」は「つまらないものと笑って受け取ること」という意味で、目上の人に対して使います。
まとめ
今回は「お納めくだされば幸甚に存じます」について紹介しました。
意味や使い方を覚えておき、いざという時に正しく使える様にしておきましょう。