「お見受けいたしました」というフレーズ、あなたは使ったことがあるでしょうか。
かなり堅い表現のため、ビジネスシーンでも若い方はなかなか縁がないケースが多いと思われるので、これよりしっかり解説いたします。
「お見受けいたしました」とは?
このフレーズをまず文法的に分解してみましょう。
「お見受けする」は、「見受ける」という「見て察する」や「見た印象から判断する」という意味の動詞に、接頭辞「お」を付けた丁寧表現です。
その「する」の部分を謙譲表現「いたす」にし、更に連用形「いたし」とした上で、丁寧表現の助動詞「ます」の連用形「まし」を付け、最後に完了の助動詞「た」の終止形が続いた形が「お見受けいたしました」の全体像になります。
以上のことから、このフレーズは、「見て察しました」という丁寧な内容を、更に謙譲表現にしたものとなります。
「お見受けいたしました」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズは、様子を見たり観察したりした上で、何らかの感想や考えを持ち、それを相手に伝える場合に用います。
会社の活気溢れる状況を見て、「業績は順調に伸びているようにお見受けいたしました」などと用います。
また、人に対して直接用いることも考えられます。
その場合の例としては、「課長はコミュニケーション能力が高いようにお見受けいたしました」が挙げられるでしょう。
ただ、人に対して使用する場合には、上から目線として失礼にあたることもあるので注意が必要です。
「お見受けいたしました」を使った例文
上記の他に考えられる例文を以下に挙げてみましょう。
・『お見受けいたしましたところ、性能は群を抜いているように思えます』
・『高名な画家による作品とお見受けいたしました』
「お見受けいたしました」の類語による言いかえ
「お見受けする」の類語としては、「察する」が考えられます。
ただ、それを直接利用した「お察しいたします」は、相手の心情や事情を察するという意味なので、「観察」要素の強い「お見受けする」とは意味合いが違ってきます。
そこで、「お見受けいたしました」は、「拝察しました」で代用する方が、言いかえ表現としては妥当です。
まとめ
「お見受けいたしました」とは、状況や対象を観察して判断することを、丁寧且つ謙譲表現で表したフレーズです。