ビジネスは当然、プライベートでも、社会人として体調を気遣う表現は身につけておいて損はありません。
「その後のご加減はいかがでしょうか」というフレーズもその1つであり、今回はこれについて解説いたします。
「その後のご加減はいかがでしょうか」とは?
いきなり問題になるのは、「その後」とは「どんな後」なのかということです。
これついては明確な正解はありませんが、このフレーズが「体調を気遣う」目的がある以上、基本的に「体調を崩した後」だと考えられます。
もちろん、場合によっては、「最後に会ったもしくは連絡した後」も考えられますが、この場合でも「その時点で既に体調が悪かった」ことが前提でしょう。
次に問題になるのは「ご加減」かと思います。
まずは「加減」の意味ですが、「程度」や「塩梅」「あんばい」という意味の他、今回のように「体調」という意味で使われることもあります。
そこに、接頭辞の「ご」が付いたのがこの「ご加減」ですが、一般的に「お加減」ではないかという疑問を持つ方が多いはずです。
しかし、文法的な意味では、「漢語」つまり「全て漢字で構成されている言葉」には「ご」が付くのがルールであり、「和語」であれば「お」が付くのがルールです。
そう考えると、本来であれば「ご加減」の方が正しいことになりますが、「ご電話」ではなく「お電話」のような例外もあります。
「お加減」もその例外で、今はむしろこちらの使用例が多くなっており、違和感を持つ方が多いわけです。
最後の「いかがでしょうか」は、「どうでしょうか」という意味の類推表現の疑問形にすることで、丁寧且つソフトな言い回しにした表現です。
以上を踏まえると、「その後のご加減はいかがでしょうか」は、「(体調を崩した)その後の体調はどうでしょうか」という意味内容のフレーズになります。
「その後のご加減はいかがでしょうか」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスであれプライベートであれお世話になった人、ビジネスであれば仕事で付き合いのある相手などが体調を崩した場合に、相手の体調を気遣う目的があるのがこのフレーズです。
体調を気遣う目的のメールや手紙はもちろん、一般的なメールや手紙の中でもちょっとした気遣いとして使うことが出来るフレーズです。
また口頭でも使うことができます。
挨拶の中で、季節の挨拶(いわゆる「時候の挨拶」と同時に文章の冒頭部分で使われる傾向が特にあります。
「その後のご加減はいかがでしょうか」を使った例文
それでは実際の使用例を見てみましょう。
・『日毎に寒くなってまいりましたが、その後のご加減はいかがでしょうか』
・『体調をお崩しになられたと伺いましたが、その後のご加減はいかがでしょうか』
「その後のご加減はいかがでしょうか」の類語による言いかえ
「その後」の言いかえは難しいので、そのままにした方が良いでしょう。
「ご加減」は「体調」や「お身体の具合」で代用可能です。
「いかがでしょうか」については、若干表現が軽くなりますが、「どうでしょうか」や「問題ないでしょうか」などが考えられます。
以上を踏まえると、言いかえ事例は「その後の体調は問題ないでしょうか」などとなります。
まとめ
「その後のご加減はいかがでしょうか」は、相手の体調を気遣う意図のあるフレーズです。
口頭であれ文章内であれ使用可能ですが、いずれも挨拶の冒頭で使われる傾向があります。