ビジネスでは、状況の把握や報告は欠かすことが出来ません。
「となっている」は、そのような場合に用いられることがあるフレーズで、これより解説いたします。
「となっている」とは?
「〜となっている」の「と」はいわゆる「格助詞」であり、この場合は「に」でも同じ意味になります。
一方「なっている」の部分は若干注意が必要です。
動詞「なる」の連用形「なり」に、接続助詞「て」が付き、更に動詞「いる」の終止形もしくは連体形(後に続く場合)が続く形です。
本来であればそのまま「なりている」と言うべきですが、発音しにくいため「り」が「っ」と促音に変化する、いわゆる促音便変化しています。
そして、この部分は「なった状態が現在に至るまで続いている」という、過去に起きた変化の継続の状態を表現しています。
よって、全体としては、「〜という状態に変化して今もそのままだ」という意味合いになるのです。
わかりやすく具体例で説明すると、建物が建っていた土地が更地になって、そのまま現在に至っている場合、「空き地となっている」という表現になるわけです。
「となっている」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでこの表現が使用される場合は、状況の報告や連絡の場面です。
例えば、次の会議の日程について相手に伝える場合、「今度の会議は9月1日に行われることとなっている」のように使われます。
尚、この場合の9月1日は「未来」のことと考えられるので、一見「過去の変化の現在までの継続」を表現する「となっている」はおかしいのではないかと感じる方もいることでしょう。
しかしながら、過去に9月1日に会議が行われることが決まり、その決定事項が今現在まで続いているという意味で使用されているのであり、9月1日という未来の日付はあくまで決定の内容に過ぎないことから、全く問題のない表現なのです。
「となっている」を使った例文
それでは、他に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『部長の役職は、前部長が退職して以来空白のままとなっている』
・『当社の社則では、有給休暇は年に10日以内となっている』
「となっている」の言い替え
「(過去に変化や決定があり)その状態が現在まで続いている」という意味合いを出せれば言い替え表現として成立します。
・「である」
過去の変化や決定自体は表現できないものの、現在の状態を断定的に表すことが出来ます。
・「ということになっている」
直接的に「〜と」とせず、伝聞調の「〜ということ」という表現を用いることで、自分がその過去の変化や決定に直接関わったわけではないことを、特に付加しています。
まとめ
「となっている」とは、過去に起きた変化や決定が、そのまま現在に至るまで続いていることを表すフレーズです。