ビジネスの場面では「とりわけ」という言葉を見かけることがよくあります。
日常的にはあまり使用しない言葉だけに、「なんとなく意味はわかるが、はっきりとはわからない」という方もいることでしょう。
この「とりわけ」の意味や使い方についてこれより詳しく解説していきますので、読み終えた後には自信を持って使いこなすことができるはずです。
「とりわけ」とは?
「とりわけ」は「取り分け」と書き、「特別なものとして取り上げて他と区別すること」を意味します。
同様同類の事柄や物、あるいは人の中から突出しているモノを選んで言及する際に、そのモノの前に置いて用いられます。
尚、「突出」とはプラス面だけでなく、マイナス面も含みますので注意しましょう。
口頭でも文中でも使用可能ですが、基本的にフォーマルな場面で用いる言葉であり、一般的には「特に」の使用で足りる場合が多くなっています。
「とりわけ」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでは、その部分を強調して相手に伝えたい場合に使われます。
「とりわけこの地域では」や「とりわけネット販売において」などがその実例です。
文書はもちろん、口頭の場合には、プレゼンテーションや会議などで割と使われる傾向にあります。
「とりわけ」を使った例文
実際に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『日本には幾つか大都市があり、とりわけ東京都の人口がダントツで多くなっています』
・『考えられる広告手段は3つ考えられますが、とりわけインターネット広告の効果が抜きん出ています』
・『台風がもたらす被害は色々ある中で、とりわけ甚大なのは風害です』
2番目の例文にある「考えられますが」のように「とりわけ」の前の文の最後にこの「が」が用いられるケースがよく見られます。
ただ、本来であれば接続助詞の「が」は逆接での使用が正しい使用であり、順接的な意味での使用は厳密には間違いです。
しかしながら、現代ではよく使われる表現方法でもあり、その点には留意しておきましょう。
「とりわけ」の類語による言いかえ
既に出た「特に」「とくに」の他に、「殊に」「ことに」がまず挙げられるでしょう。
「特に」とほぼ同じ意味ですが、「とりわけ」同様、フォーマルな印象を与える表現です。
他にも、「中でも」は「特に」同様、一般的にも使われる表現で、わかりやすくはありますが、「とりわけ」と比較すると突出具合がそれほどではない印象を与えます。
まれに「就中」「なかんずく」という言葉も使われますが、極めて堅い表現ですので、ある程度年配の方相手などの場合を除き、あまり使わない方が良いでしょう。
まとめ
「とりわけ」は、同様の物事の中から突出しているものを取り上げて言及する際に、その物事の前において強調する意味があります。
突出とは、プラス面だけでなくマイナス面でも該当します。