ビジネスシーンでは、「もたらされる」という表現に出くわすことがあります。
今回はこの「もたらされる」について学んでみましょう。
「もたらされる」とは?
「もたらされる」を文法的に見れば、「もたらす」の未然形である「もたらさ」に助動詞「れる」が付いた形です。
「もたらす」の意味は、「持って来る」や「(ある状態)を引き起こす」とされています。
しかし、この「もたらされる」で問題となるのは、助動詞「れる」がどういう意味で使用されているかという点と言えるでしょう。
それは、「れる」には複数の表現内容を作る効果がありからです。
具体的には「受け身」や「可能」もしくは「尊敬」や「自発」の4つも考えられます。
どのパターンなのかは、意味や文脈から判断することになりますので、注意が必要です。
「もたらされる」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスシーンでは、因果関係の説明に絡んで、概ね「引き起こされる」という意味の「受け身」として「もたらされる」が用いられる傾向が最も強く、他はあまり見ないパターンと言えるでしょう。
「受け身」として使用されるパターンとしては、「新規事業展開により、売上のアップがもたらされる」などが考えられます。
「もたらされる」を使った例文
それでは実際に使用されそうなパターンを挙げてみましょう。
・『競争の激化により、販売価格の低下がもたらされる』
・『労働時間削減により、従業員の効率化の意識向上がもたらされる』
・『自動化によってもたらされる恩恵は、従業員全体が受けることになる』
「もたらされる」の言いかえ
ビジネスシーンで使用される「もたらされる」の意味の多くは、「(ある状態が)引き起こされる」ですから、まずはこのフレーズが代用表現になります。
「悪天候で売上低下がもたらされる」を「悪天候で売上低下が引き起こされる」にしてもしっかり成立します。
また、単純に「発生する」としても意味合いは変わりません。
「悪天候で売上低下が発生する」を見れば問題ない言いかえであることがわかるはずです。
まとめ
「もたらされる」は「もたらす」の未然形「もたらさ」に助動詞「れる」が付いた形です。
助動詞「れる」は、「受け身」、「可能」、「尊敬」、「自発」の4つの意味を作り出しますが、ビジネスで主に使われるのは「受け身」のパターンです。