「仰る事」とはどのような意味を持つビジネス表現なのでしょうか。
今回は、「仰る事」の意味とビジネスでの使い方について解説します。
「仰る事」とは?
「仰る事」とは、「相手が言うこと」という意味で使われるビジネス表現です。
「仰る」は言葉を口にすることや内容を伝えることを意味する言葉「言う」の尊敬語です。
尊敬語は相手のする行為を高めて敬意を示す敬意表現なので「仰る事」は自分が言う事ではなく他人が言う事を表します。
ビジネスでは相手が話した内容や文章で書いた事など主張する内容もしくは話の趣旨と言ったような意味合いで使われる表現です。
本来は話した内容や書いた文字の一字一句そのままを指しますが、言葉で伝えたい本当の気持ちや主張したい部分など相手の気持ちを汲み取る「相手が伝えようとしている事」という意味で使われることもあります。
「仰る」という動作ではなく仰って示した事、つまり口にした言葉や内容を独立させて指す場合の表現です。
「仰る事」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
使い方によっては相手が一生懸命話した内容を事務的に受け取り突き放す印象を与える恐れがあるので注意が必要です。
相手の話を一方的に引き取ってまとめてしまうとトラブルになりやすいので「仰る事」を使う場合は十分に話を聞いてから使うようにしてください。
「仰る事」を使った例文
・『仰る事は理解できますがこちらとしても素直に頷くわけには参りません』
・『仰る事はごもっともですが現実的にはそうそう上手くいくはずがありません』
「仰る事」の類語や言い替え
相手が目上の立場でなく敬語を使う必要がないのであれば「言う事」「言っている事」という平易な言い方が適切です。
言ったのが現在よりも前の場合は「仰った事」「仰っていた事」という過去を表す言い方になります。
言った内容そのままではなく相手が伝えたいと思っていることを強調する場合は「仰りたい事」という表現を使います。
相手が自分に言うのではなく自分が相手に言う自らの動作に敬意を込める場合は謙譲語を使った「申し上げる事」という表現が正解です。
まとめ
「仰る事」は目上の相手と話す時に使う表現です。
目下の人間に使うと慇懃無礼になるので相手との関係性を考えて使ってください。