ビジネスでは、人と人、あるいは組織同士の意思疎通や交渉が重要であることは言うまでもありません。
「先方の意見」とは、そのような場面によく用いられるフレーズであり、これより解説いたします。
「先方の意見」とは?
まず「先方」から解説しましょう。
「先方」とは「せんぽう」と読みますが、「さきかた」と読むケースもあります。
ただし、それは「先ほど」という意味の場合ですので、今回のフレーズとは無関係です。
意味は「相手(の人)」や「相手方」「あいてがた」という意味で、相手の人や相手の会社(等組織)の代名詞的な使用ができます。
「意見」は言うまでもなく、「物事についての考え方や見方」ですから、「先方の意見」全体としては、「相手(方)の考え方」という意味になります。
「先方の意見」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「相手の考え方」という意味ですので、そのことについて議論、検討、報告、説明する際に用います。
具体的には、「B社との共同プロジェクトにおける出資割合についての先方の意見は、かなり否定的でした」のような事例が考えられます。
他にも、「先方の意見は厳しいものでした」や「これは先方の意見でもありますが、建設費用が高騰する前に着工すべきです」などの使用例があり得るでしょう。
基本的に、組織内部で目上の人にも使える表現ではあるものの、「対外的」な敬語表現ではないので、使用時は「社」内や「部」内など、あくまで「身内」の中での会話や文章に留めましょう。
「先方の意見」を使った例文
それでは上記以外の使用例文を以下に挙げてみたいと思います。
・『先方の意見に従うことも必要だ』
・『まずは先方の意見を聞くことから始めましょう』
・『今回の提案は先方の意見を元にしました』
「先方の意見」の類語による言い替え
「先方」については、既出の「相手方」「あいてがた」がまず挙げられます。
他には「先様」「さきさま」が「先方」の対外的な敬称としても使えるので、これでも代用可能です。
「取引先」や「クライアント」なども場合によっては使用可能ですが、取引関係がない場合には使用できません。
「意見」については特に言い替える必要はありませんが、こちらも既出の「考え方」の他、「主張」での言い替えも考えられます。
以上のことから、「先方の意見」の言い替え表現としては、「相手方の考え方」や「先様の主張」が候補となります。
まとめ
「先方の意見」とは、ビジネスの取引相手や交渉相手などの考え方や主張を意味します。
また、「先方」は企業内で目上の人に使うこともできますが、対外的には敬語表現とは言えないため、あくまで身内同士での会話や文章の使用に限定しましょう。