ビジネスでは、一度出した結論が覆されることがあります。
「再度検討させていただきます」というフレーズはそのようなケースでも使われるもので、詳しく解説いたします。
「再度検討させていただきます」とは?
まず「再度」の意味ですが、おわかりの通り「もう一度」という意味です。
「検討」は「色々な面からよく調べ考えること」を意味します。
さて、問題となるのは次の「させていただきます」の部分でしょう。
文法的に見ると、「させてもらう」の謙譲表現である「させていただく」の連用形「させていただき」に、丁寧表現の助動詞「ます」が付いた形ですが、意味としては「謹んで〜させてもらう」という内容表現を作ります。
ただ、この謙譲表現はある条件に合致しないと文法的に成立しません。
その条件とは「相手もしくは第三者の許可を得ること」と「自分のために行うこと」で、これらの両方を満たす必要があるのです。
このフレーズが出る場面を考えると、誰かから要請を受けて「もう一度検討します」という流れになっていることが推測されます。
つまり相手からの「許可を得て」行っている要素があります。
そして、再検討するのは要請した側のための可能性もありますが、自分達のために全くならないことなら再検討はしないはずですから、一応「自分のために行うこと」でもあるでしょう。
結論としては、「させていただく」はこの場合成立していると考えて良いわけです。
以上を踏まえてこのフレーズを見てみると、「もう一度色々な面から考えさせてもらいます」という内容を、強めの謙譲表現にしているフレーズだと考えられます。
「再度検討させていただきます」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスで、最初に検討した結果が誰かにとっては不満足や不都合な場合はよくあります。
ある程度力がある相手が、「もう一度検討して欲しい」と望めば、結果が覆るかどうかはともかく、再検討する必要が出てくるケースは決して珍しくありません。
その場合、「再検討します」と報告するのにこのフレーズが使われるのです。
相手からの要請や要望とは言え、一応相手に配慮する必要がありますから、「させていただきます」と謙譲表現を更に丁寧表現にしたフレーズで、「自分の方から再検討することにした」という意味合いを出しています。
「再度検討させていただきます」を使った例文
それでは、このフレーズを使用した例文を挙げてみましょう。
・『ご要望がありましたので、再度検討させていただきます』
・『再度検討させていただきますが、ご要望に沿う結果になるかどうかの保証はできかねます』
「再度検討させていただきます」の類語による言いかえ
「再度」は「もう一度」で代用できます。
「検討」については、「熟慮」や「考慮」で言いかえられます。
また、「再度検討」を「再検討」とまとめてしまっても良いでしょう。
更に、「させていただきます」については、「謹んで〜いたします」としても意味合いはほぼ同じになりますので、この形で言いかえます。
以上を踏まえると、「謹んでもう一度考慮いたします」や「謹んで再検討いたします」といった全体の言いかえが可能です。
まとめ
「再度検討させていただきます」とは、何らかの要請を受けて、再検討する場合に、相手に配慮しつつ再検討することを報告するためのフレーズになります。