ビジネスでも問題の発生を完全に避けられるわけではありません。
そのような時の対処がむしろ重要となりますが、「原因を調査いたしましたところ」もまた、そういう場面で使われやすいフレーズの1つです。
これよりこのフレーズについて詳しく解説していきます。
「原因を調査いたしましたところ」とは?
まず、ある程度わかっている方も多いとは思いますが、「原因」の意味からしっかりと把握しましょう。
「原因」の意味は、「特定の物事や状態を作り出したり引き起こしたりする元の理由」です。
一般的には、「原因」は好まざる結果や状況について使われる傾向にあります。
一方「調査」の意味は、「物事の事情や状況について詳しく調べること」とされています。
また、「いたしました」とは、「する」の謙譲語である「いたす」に丁寧な意味を付加する助動詞「ます」の過去形「ました」が付いたものです。
そして、「ところ」については、場所の意味ではなく時間的な意味で「ちょうど〜を終えたばかり」という意味になります。
通例「〜したところ」という「した」と「ところ」のセットで用いられています。
これらを踏まえた上で全体の意味を考えると、「(何かの)状況の元となる理由を調べ終えたことで」や「(何かの)状況の元となる理由を調べ終えて」という意味の謙譲表現になります。
「原因を調査いたしましたところ」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネス上このフレーズが出てくるケースは、「何らかの不都合が生じ、相手にその原因が何か報告する必要や義務が生じている」ものと考えて良いでしょう。
ビジネスでは、完全な商品やサービスを提供するのが当然の義務ですので、それが果たせなかった場合には説明責任が伴います。
これにより、相手に問題の理由を納得してもらった上で、更なるフォローするのが通例です。
特に謝罪は必須と言えます。
「原因を調査いたしましたところ」を使った例文
では、実際にこのフレーズが使われている実例を挙げてみます。
・『先日の故障の原因を調査いたしましたところ、ネジに緩みが生じておりました』
・『お客様のご注文が勝手にキャンセルされた原因を調査いたしましたところ、システムに不具合が見つかりました。心よりお詫び申し上げます』
「原因を調査いたしましたところ」の類語による言いかえ
「原因」の類語としては、「要因」「よういん」をまず思い付く方が多いのではないかと思います。
簡単に言ってしまうと、要因とは「主な原因」や「重要な原因」のことですから、ほぼ同じ意味と考えて問題はありません。
また「調査」については、「検証」「けんしょう」や「究明」「きゅうめい」などが代用語の候補となります。
「ところ」については、時間的な意味合いは薄れますが、「結果」「けっか」でほぼ同じような意味合いを作り出すことが可能です。
これらを踏まえると、「要因を検証いたしました結果」といった言いかえ表現が考えられます。
まとめ
「原因を調査いたしましたところ」は、不都合が生じた場合に、迷惑をかけた相手に不都合の理由を説明するためのフレーズです。
このフレーズの後には、原因の詳細の説明とともに、謝罪表現が続くのが通例です。