ビジネスは基本的にお金を儲けるために行っており、取引でお金を得られなくては意味がありません。
当然お金を実際に受け取ったか受け取っていないかは重要な確認事項です。
「受領しておりません」は、そのお金のやり取りの確認の場面で使われるフレーズであり、詳しく解説してみたいと思います。
「受領しておりません」とは?
まず「受領」ですが、「じゅりょう」と読み、意味は「金品を受け取ること」です。
一方の「しておりません」は、「する」の連用形「し」に接続助詞「て」が結びついた「して」に加え、「いる」の謙譲表現「おる」の連用形「おり」に丁寧表現を作る助動詞「ます」の否定形「ません」が付いた表現です。
「して」は、最近では一体の活用として捉えられることも多く(いわゆる「テ形」)、「している」で「継続」や「結果の状態」を表しています。
その「している」の否定形である「していない」を、謙譲表現と丁寧表現を使うことで「しておりません」という形にしているのです。
つまりフレーズ全体として、「受け取っていない(状態だ)」ということを敬語表現にした形になります。
「受領しておりません」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでは、「サービスや商品提供の対価としてのお金を受け取っていない」という意味で、このフレーズがよく使われます。
もちろん、金銭以外の物や領収書などを受け取っていない場合にも使えますが、お金の受け取り関連より使用頻度は低いでしょう。
また、一応敬語表現ではあるものの、「約束したものをもらっていない(から早く渡せ)」という意図が見え隠れする表現ですので、相手にとってはかなりキツイ表現と言えるかもしれません。
そういう意味で、実際に使う場合にはかなり注意が必要です。
こちらが何度も要求しているのに、相手が払わなかったり渡さなかったりといった場合に使うべき表現と言えるかもしれません。
「受領しておりません」を使った例文
それでは実際に使用されそうな例文を挙げてみましょう。
・『お約束の期日を過ぎましたが、販売金額を受領しておりません』
・『先日の領収書の件ですが、未だに受領しておりませんので、発行していただけると幸いです』
「受領しておりません」の類語による言いかえ
このフレーズの言いかえとしては、「受領」の類語を使用したものが第一に考えられます。
まず「拝受」「はいじゅ」ですが、「謹んで受け取る」という意味がある謙譲表現で、「受領」よりも相手を尊重した表現となっています。
あまり耳慣れない言葉ではありますが、敬語表現としてはこちらの方が適切かもしれません。
「受理」「じゅり」もあり得ますが、こちらは「受け取って適切に処理する」という意味が強く、「金品をもらう」という意味での言いかえにはあまり適さない恐れがあります。
また、単純に「受け取る」で代用する方法もありますが、「受領」の代用語としては問題ない一方、よりカジュアルな表現としての印象が強くなるので、その点は注意が必要です。
また、「受領して」までに敬語要素がないため、「受領いたして」と、この部分自体も謙譲表現にすることも考えられますが、若干言い回しがくどくなる点は注意しましょう。
まとめ
「受領しておりません」とは、「金品や領収書などを受け取っていない」ことを伝える表現です。
かなり強い表現ですので、印象を悪くする恐れもあり、使用時には注意が必要です。