小説のような文章が書けると、同僚に大きく差が付きます。
「惜秋の折」の正しい使い方を見ていきましょう。
「惜秋の折」とは?
惜秋は「せきしゅう」と読みます。
「秋を惜しむ」という漢字の通り、走り過ぎていく秋をしみじみと思う気持ちをあらわしています。
紅葉の季節をもっと味わいたいのに、季節ばかりが先に進んでいて、自分だけその場にいるような寂しさを表現しています。
「折」は季節の挨拶文の枕詞をあらわし、「惜秋」と組み合わせると11月の挨拶文になります。
「惜秋の折」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「〜の折」という表現は、おもにビジネス文書やビジネスメールの書き言葉で使われる挨拶文です。
文の冒頭に使うので、文の途中や文の終わりに用いないよう気を付けておきましょう。
また「秋を惜しむ」とあらわす通り、惜秋は11月の冬の入り口に使います。
夏が過ぎ去ったばかりの9月初め、そして本格的な冬を感じさせる12月に用いると、いびつな文に思えるので注意しておきましょう。
季節をあらわす表現を心得ておき、情感豊かな文に仕上げてください。
「惜秋の折」を使った例文
・『惜秋の折、皆様ますますご健勝のことと存じます』
・『惜秋の折、いかがお過ごしでしょうか』
「惜秋の折」の類語や言い替え
似ている表現に「晩秋の候」があります。
「晩秋」は秋の終わりをしめす表現ですが、暦の上では10月下旬から11月初めをあらわします。
この場合も暦に揃えて「晩秋の候」は10月後半から11月前半に使っていきます。
「惜秋の折」より前のシーズンに用いる季節の挨拶文なので、心得ておきましょう。
このほか言い替えの表現に「暮秋の候」「落ち葉の候」があります。
いずれも「惜秋の折」と同じように、11月に使える挨拶文です。
それぞれ暮れゆく秋、美しい紅葉が終わって冬に向かう情景をあらわしています。
季節感を添える文になるので、覚えておきましょう。
まとめ
「惜秋の折」をお伝えしました。
秋らしい表現を心得て、ビジネス文書を華やかに仕上げていきましょう。