社会人となれば、謝罪や感謝に関わるマナーについては終始気を付ける必要があります。
今回の「改めてお礼させていただきます」というフレーズは感謝に関わるものであり、頻出する表現ですのでこれより詳しく解説いたします。
「改めてお礼させていただきます」とは?
まず「改めて」の意味ですが、「後ほど」、「別の機会に」、「再度」などと言った意味があります。
ただ、これらの意味に加え、暗に「もっとしっかりとした形で」という意味合いも含まれていることに注意しましょう。
一方で、「お礼」は「礼」に謙譲表現の接頭辞「お」が付いたもので、意味は当然「感謝の意の表現」や「感謝の挨拶」のことです。
また、「させていただきます」は、「遠慮しつつ相手に許可を得て〜させてもらう」という意味の「させていただく」という謙譲表現の連用形「させていただき」に、丁寧表現の助動詞「ます」が付いたものです。
当然、この時点で「そうするつもり」という意味合いも暗に含まれています。
以上のことから、このフレーズは、「別の機会に(しっかりと)お礼をさせてもらいます」という意味の謙譲表現になります。
「改めてお礼させていただきます」の使い方や使われ方、使うときの注意点
基本的に、お礼を取り敢えず言っておく必要があり、且つ別の機会に相手に正式な形で再度感謝するつもりがある時に使用されるフレーズです。
具体的には、お金がたくさん入った財布を落として交番に行った所、ちょうどその場に拾ってくれた人が届け出ていた場合などが考えられます。
その場でひとまずお礼を言うことはもちろん、それだけでは感謝が足りないので、「拾って届けていただきありがとうございます。
改めてお礼させていただきます」と言った形で伝えます。
ポイントとしては、「一度だけの簡単な感謝だけでは足りず、別の機会にきちんとした形で感謝の意を表す必要がある」場合に使われるということです。
「改めてお礼させていただきます」を使った例文や文章
それでは、他に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『この場だけの感謝では到底足りないので、改めてお礼させていただきます』
・『改めてお礼させていただきますが、取り敢えずこの場で感謝の言葉だけ伝えさせていただきます』
「改めてお礼させていただきます」の類語や言い替え
「改めて」については、「別の機会に」や「再度」などの意味があるだけでなく、「正式に」や「しっかりとした形で」などの意味も含まれると説明しましたので、言い替え表現ではその部分を明らかにした方が無難です。
「別の機会に正式な形で」や「再度しっかりと」などと言い替えれば良いでしょう。
「お礼させていただきます」については、「お礼の場を設けさせていただきます」や「感謝の意を表させていただきます」と言った表現での代用が考えられます。
また「させていただく」という表現が「過剰」と見るならば、「つもり」の意味も含め、「お礼の場を設けるつもりです」や「感謝の意を表すつもりです」のような形もあり得るでしょう。
よって、全体の言い替えとしては、「別の機会に正式な形でお礼の場を設けるつもりです」と言ったフレーズが考えられます。
まとめ
「改めてお礼させていただきます」とは、「次の機会に再び感謝させてもらいます」ということを伝えるための謙譲表現を使ったフレーズです。
このフレーズには、直接明示されていはいませんが、「正式な形で」や「するつもり」という意味合いが含まれています。