「春寒の候」というフレーズは、ビジネスやフォーマルな場面でたまに見る表現です。
ただ、正確な意味を理解しているかどうかと言われれば、微妙な方も多いかもしれません。
そんな「春寒の候」について、詳しく解説していきます。
「春寒の候」とは?
「春寒の候」は、「しゅんかんのこう」と読みます。
「春寒」は「春の寒さ」、より具体的には「立春を過ぎたのにぶり返した寒さ」を意味しています。
また、「候」は「時季」「じき」や時節「じせつ」を意味しています。
尚、「立春」は「りっしゅん」と読む二十四節気の1つであり、現在の暦で言うと2月4日前後の時期を指すと共に、立春を過ぎると春が始まるとされています。
基本的に、「春寒の候」は、立春を過ぎた後の2月中に、寒さがまだ残っていれば使うことが出来るものと考えてください。
「春寒の候」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
一般的に、「春寒の候」というフレーズは、メールや挨拶文において、季節を踏まえた冒頭に使われる挨拶表現だと考えてください。
2月の立春を過ぎたにもかかわらず、寒さがぶり返したような場合に、メールや手紙の冒頭に使えます。
「春寒の候」については、使える期間について、立春を過ぎたあといつまで使えるのかという問題がありますが、概ね2月中であれば使えるものと考えてよいでしょう。
重要なのは「まだ寒い」状況かどうかであり、気温の状況などを確認しながら使います。
また「春寒の候」は、ビジネスにおいてもかなり堅くフォーマルな表現であり、このフレーズを使う手紙やメールは、差し出し先や内容においてかなり限られることも意識しましょう。
尚、「春寒の候」が使われる場合は、冒頭の「拝啓」「はいけい」とセットで用いられることが通例となっています。
「春寒の候」を使った例文
「春寒の候」を使った例文としては、以下のような事例が考えられます。
・『拝啓 春寒の候、ご健勝であれば幸いに思います』
・『拝啓 春寒の候、ますますご反映のことと存じます』
これらのような文章があり得ますが、「拝啓」を冒頭に用いる場合には、締めが「敬具」「けいぐ」や「敬白」「けいはく」といった言葉と必ずセットになります。
「春寒の候」の類語での言いかえ
「春寒の候」は、概ね立春を過ぎた2月中に用いる表現であり、同じような時季を意味する言葉や表現で言いかえられます。
「残寒の候」「ざんかんのこう」や「余寒の候」「よかんのこう」がこれに該当し、そのまま置きかえて使えます。
一方で、カジュアルな表現で言いかえたい場合もあり得るでしょう。
その場合、「春とは名ばかりに寒い日々が続いていますが」や「春だと言うのに未だに寒々しい中」などの表現で代用可能です。
まとめ
「春寒の候」は、立春を過ぎてから2月の間、まだ寒さが残っている時期のメールや手紙で冒頭の挨拶に使うフレーズです。
かなりフォーマルな場面で使う表現であり、他の文章における表現方法とのバランスなども考慮する必要があります。