ここでは「決裁のほど」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「決裁のほど」とは?
「決裁のほど」は、何かの決裁をお願いする時にその相手に対して使う表現です。
「こちらの書類のご決裁のほど、よろしくお願いいたします」のように用いて、それに関して決裁権のある人に対して使うことになります。
この「決裁」とは、主にビジネスシーンにおいて、その内容の可否を決めてもらうことで、その判断ができる人にそれをお願いしますという使い方をする表現なので、自分ではそれを決めることはできない、決めてもらわないといけないというシーンで使われます。
先のような形で「決裁のほど、お願いします」のように続けるのが通例で、そのための書類を持参して、直接その相手に口語で使うことが多いですが、近年ではメールにその書類をファイルで添付して、本文中で用いるような使い方をする場面も見られます。
「決裁のほど」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「決裁のほど」は、文章で用いる時に同音の「決済」と間違って使ってしまうことがあるので注意が必要です。
そちらの「決済」は経済的な手続きを完了するという意味になり、クレジットカードで決済をしたなどという用い方になる言葉です。
口語では同じ「けっさい」なので特に問題はありませんが、文章の場合には誤変換の可能性があるので気をつけてください。
この表現は前述のように、何かの決裁をお願いしたいという時に用いられるため、それ以外に使われるシーンというものはまずなく、それができる立場の上司が相手になると考えていいでしょう。
ビジネス以外でも、何かの会合などで決めることがあるような場合に使われることがあり、その時にもそれについて決裁ができる人を対象に用いられます。
「決裁のほど」を使った例文
・『こちらの予算案の決裁のほど、よろしくお願いいたします』
・『○○社からいただきました見積りへの決裁のほど、お願いいたします』
「決裁のほど」の類語や言い替え
・『ご決裁を』
この「決裁」は、前に「ご」とつける丁寧になります。
ですが、無理に「ご決裁のほど」と使うことはなく、そちらの形にするならこの「ご決裁を」と使った方が表現的にスムーズです。
よって、同じように「ご決裁をお願いいたします」などと使えば失礼になることはありません。
まとめ
「決裁のほど」は、ビジネスシーンで何かを決めることができる相手に対してそれをお願いするために用いられます。
それをお願いしますという使い方になり、それ以外の用い方はしないため、一度覚えてしまえば難しい表現ではありません。