「行って参ります」とは?ビジネスメールや敬語の使い方を徹底解釈

「行って参ります」とは? ビジネス用語

敬語表現は、慣れた人でも迷うことがあるほど、難しいものです。

「行って参ります」も単純に見えて複雑な構図の敬語表現であり、これより解説いたします。

「行って参ります」とは?

「行って」は、本来「行きて」と、「行く」の連用形「行き」に接続助詞「て」が付いた形です。

その上で「行きて」では発音しづらいため、「き」「っ」という促音に変化する促音便変化を起こして「行って」となっています。

一方、「参ります」ですが、「参る」の連用形「参り」に丁寧表現の助動詞「ます」が付いた形です。

この「参る」「来る」の謙譲表現として使われているので、「行って来ます」という表現を敬語表現にしたものとわかります。

同時に、この内容では、「行く」のも「来る」のも、話の聞き手に向けた動作ではないことに気付かれたでしょうか。

にもかかわらず、動作の対象を立てる作用がある「謙譲表現」が用いられている以上、通常の謙譲表現とは性質が異なります。

このように、動作の対象ではなく話の聞き手に配慮する目的で使われる謙譲表現と丁寧表現の合わさった形を、強い丁寧表現、いわゆる「丁重表現」「謙譲表現Ⅱ」として別の扱いをすることがあり、今回はまさにその事例と言えます。


「行って参ります」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点

自分がどこかに行くことを、配慮すべき相手に伝える場合に用いるフレーズです。

具体的には、出張のために来た駅でたまたま出会った上司に、「これから出張に行って参ります」のような形での使用が考えられます。

使用の際のポイントとしては、話の聞き手が尊重すべき対象であって、動作の対象ではないということです。


「行って参ります」を使った例文

それでは、他に考えられるこのフレーズの使用例を行かに挙げてみましょう。

・『それでは行って参ります』
・『午後から行って参ります』
・『行って参りますので、後のことはよろしくお願いいたします』

「行って参ります」の言い替え

相手に対し丁寧に「行って来る」ことを伝えられれば、言い替え表現として適切です。

「行って来ます」
「行って参ります」は強い丁寧表現ですので、基本的にはそのままの丁寧表現でも足ります。

「出かけて参ります」
「行く」「出かける」で代用しています。

まとめ

「行って参ります」とは、話の聞き手に配慮して、「行って来ます」「来ます」を謙譲表現「参る」と丁寧表現の助動詞「ます」を用いて表現した強い丁寧表現です。

これを、他の敬語表現と区別して「丁重表現」と呼ぶことがある他、場合によっては「謙譲表現Ⅱ」とすることもあります。

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