ビジネスでは、事業や計画を実行に移す前に、会議などで様々な観点から事前に検討する必要があります。
「複雑になってしまう点が心配です」も、そのような場合によく用いられる表現であり、今回はこれについて解説いたします。
「複雑になってしまう点が心配です」とは?
ある程度わかりやすい言葉ではありますが、「複雑」の意味について、まず押さえておきましょう。
「複雑」とは、「あらゆる要素が絡み合い、入り組んでいること」です。
さて、このフレーズで文法的に問題になるのは、次の「なってしまう」でしょう。
このフレーズは、動詞「なる」の連用形「なり」に接続助詞「て」が付いた「なりて」が促音便化して「なって」となったものに、「意図せずある状態になる」という意味の「しまう」の連体形(次に「点」という名詞が付くため)が付いた形です。
つまり、「(なってほしくないが)結果としてなってしまう」という意味合いになります。
「点」は「箇所」などの意味がありますが、このフレーズの場合はシンプルに「こと」という意味で考えた方が良いでしょう。
「心配です」はそのまま「不安です」という意味になります。
以上を踏まえると、このフレーズは、「あらゆる要素が絡み合い入り組んでしまうことが不安です」という内容を表していることになります。
「複雑になってしまう点が心配です」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
単に複雑であることが問題なのではなく、複雑になると「わかりづらくなる」ことや、物理構造的には「作りづらくなる」や「直しにくくなる」という問題が生じやすいため、意図せず「複雑になる」ことが「不安」だということになります。
ビジネスでは、例えば計画が複雑になれば、組織の意思疎通が図りづらくなったり、コストや時間が余計にかかったりします。
一方、物理的な構造が複雑になると、製造や建築では欠陥やミスが発生しやすくなり、作るのに時間もコストもかかる状況が発生しやすくなります。
つまり、ビジネスにおいても、できればシンプルであることが求められ、このフレーズはそのような問題点を指摘することを意図したものなのです。
「複雑になってしまう点が心配です」を使った例文
・『このままでは、複雑になってしまう点が心配です』
・『良い案ではありますが、一部修正しないと複雑になってしまう点が心配です』
「複雑になってしまう点が心配です」の類語による言いかえ
「複雑」の類語としては、「煩雑」「はんざつ」やシンプルに「ややこしい」が挙げられます。
既に説明したように「点」は「こと」、「心配」は「不安」で代用可能ですが、他に「懸念」「けねん」を使っても言いかえ可能です。
以上のことから、「煩雑になってしまうことに懸念を抱いています」などと全体を言いかえることができるでしょう。
まとめ
「複雑になってしまう点が心配です」とは、複雑になることでビジネス上生じる「わかりづらさ」や「コスト」または「時間」の余計な消費を懸念するフレーズです。