ビジネスにおいては、感謝やお礼関係の表現は多岐にわたります。
今回の「見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます」もその1つの表現であり、これより詳しく解説いたします。
「見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます」とは?
「見積書」とは、受注者が発注者に対し、製造や工事の工程予定や予算額を提示する文書です。
商品を扱う、いわゆる流通業であれば、単なる予算額のみで構成されることもあるでしょう。
「お送りくださり」は、「お〜くださる」という「〜してくれる」という意味の尊敬表現の定型パターンです。
「送ってもらって」という意味を更に尊敬表現にしているのです。
また、最後の部分が「くださり」と、「くださる」の連用形になっていますが、これは「連用中止法」と呼ばれる手法で、接続詞や接続助詞無しに、一度文章を切った上で次の文章を続けることができる手法です。
ですから、本来であれば「くださり」の後に読点が付きますが、便宜上付けないことも多くあります。
「厚く」は、この場合「深く」や「強く」の意味で使われています。
最後の「申し上げます」は、「申し上げる」の連用形「申し上げ」に丁寧表現の助動詞「ます」の終止形が付いた形となっています。
「申し上げる」は「言う」という意味の謙譲語であり、「申す」という謙譲語より更に強くへりくだった表現です。
以上の説明を踏まえると、全体的には「見積書を送ってもらって、深く感謝します」という内容を、強めの謙譲表現で表していることになります。
「見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
発注者側が注文先から見積書を送ってもらった場合に、到着の確認と感謝を伝えるためのフレーズとなっています。
文書で使われる場合には、上記で説明した「連用中止法」が使用されているので、「くださり」の後に読点を打った方が良いでしょう。
「見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます」を使った例文
このフレーズを使用した例文を挙げてみましょう。
・『早々に見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます』
・『見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げますが、一部金額にミスがあったようですのでお伝えいたします』
「見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます」の類語による言いかえ
「見積書」は言いかえない方が無難ですのでそのままで良いでしょう。
「お送り」については「ご送付」という言いかえが可能です。
また、「お(ご)〜くださる」は「〜してもらう」という相手主体の尊敬表現ですが、自分主体で「〜してもらう」という「お(ご)〜いただく」という謙譲表現に置きかえる言いかえもできます。
それを用いると、この場合「お送りいただき」に言いかえられます。
更に、「厚く」は「深く」、「お礼申し上げます」は「感謝いたします」で代用可能でしょう。
以上を踏まえた全体の言いかえとしては、「見積書をご送付いただき、深く感謝いたします」が1つの例として挙げられます。
まとめ
「見積書をお送りくださり厚くお礼申し上げます」は、見積書を送ってもらった場合に、相手への見積書到着と感謝の両方を伝えるためのフレーズです。