「報連相」はビジネスの基本作法の1つですが、いずれもできるだけ時間を置かずに行う必要があります。
今回の「速やかにご連絡差し上げます」というフレーズもまた、その基本に則った内容であり、これより解説いたします。
「速やかにご連絡差し上げます」とは?
まずは「速やかに」から解説しましょう。
読み方は「すみやかに」であり、意味は「すぐに」や「時間を置かずに」です。
一方、「ご連絡差し上げます」については、文法的な解説からする必要があります。
この部分のフレーズは、「ご」「連絡」「差し上げ」「ます」という形に分かれていることをまず理解しましょう。
「ご」は敬語表現を作る接頭辞です。
そして「ご〜差し上げる」は謙譲表現の典型的パターンであり、「差し上げる」は「あげる」や「与える」の謙譲表現です。
つまり「ご」はあってもなくても良いのですが、このセットが一般的な「差し上げる」の使用パターンですので覚えておきましょう。
このフレーズには、更に丁寧表現を作る助動詞「ます」が付いており、「ます」は前の動詞の連用形に付くことから、「差し上げ」という連用形になっていることに注意してください。
以上を踏まえると、「速やかにご連絡差し上げます」とは、「すぐに連絡します」という意味内容を謙譲表現にしていることになります。
「速やかにご連絡差し上げます」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでは内部外部問わず連絡しますので、内部であれば上司、外部であれば取引先などには「謙譲表現」で「すぐに連絡します」と伝える必要があります。
そして、その場合に使われるのがこのフレーズなのです。
また、このフレーズに出てくる「連絡」とは、このフレーズが使われている連絡そのものではなく、「後から」もしくは「何らかの条件に合致した場合」に連絡する別の内容であり、「その連絡をすぐにします」と相手に伝えているのが「速やかにご連絡差し上げます」というフレーズです。
基本的に、このフレーズは、「〜の場合には」といった条件を前提にして使用されるケースが目立ちます。
尚、「差し上げる」という表現が「上から目線」とされる可能性があることには注意してください。
「速やかにご連絡差し上げます」を使った例文
それでは実際の使用例を考えて挙げてみましょう。
・『天候が悪化した場合には、速やかにご連絡差し上げます』
・『詳細がわかり次第、速やかにご連絡差し上げます』
「速やかにご連絡差し上げます」の類語による言いかえ
「速やかに」の部分は、「すぐに」や「即時」、または「間を置かず」や「できる限り早く」などと言いかえることができます。
「連絡」については、連絡手段自体による言いかえ、具体的には「お電話」や「メール」といった言葉でも言いかえられます。
他にも、連絡内容次第で「報告」や「返答」といった使用も考えられるでしょう。
また、「差し上げます」という謙譲表現については、「上から目線」的な意味合いを完全に排除した場合、「する」の謙譲表現「いたす」を使った言いかえがシンプルでわかりやすいのではないでしょうか。
そして、これらを踏まえた全体的な言いかえ事例として、「できる限り早くお電話いたします」や「すぐにご返答いたします」といった表現が挙げられます。
まとめ
「速やかにご連絡差し上げます」とは、「すぐに連絡します」を謙譲表現にしたものです。
通常、このフレーズを使った連絡の後に、必要な連絡が(すぐに)行われることを伝えています。