ビジネスでの言い回しでは、確実に伝えるのも大切なことです。
しかし、しつこいのは礼に欠くので注意が必要です。
お願い事を念押しで依頼するときに使われるのが「重ねてお願いいたします」です。
確認しつつしつこくならないように使うには、どんな注意点があるのでしょうか。
「重ねてお願いいたします」の意味を紐解いてみよう
まずは「重ねてお願いいたします」の意味から頭に入れておきましょう。
「お願いいたします」はそのまま、相手にこちらから何を依頼したり、お願いしたりするときの挨拶として日常的に使われます。
「お願いする」を敬語にして「お願いいたします」としています・。
次に問題になるのが「重ねて」ですが、何度も入念に確認する意味があります。
この言葉あることで、相手も注意が向きますのでお願いの内容を記憶にとどめることができます。
「何度もお願いしますが」という言い方だとキツイ一方的な印象になります。
しかし、重ねてとすることでかしこまった丁寧な表現で、柔らかく低姿勢になります。
間違いも多い「重ねて」の使い方
耳にすることも多い「重ねて」ですが、使う場面としては大きく2つあります。
複数のお願いを一度にするとき
相手にお願いをいくつもするときに、Aのお願いの話題、さらにBのお願いとすると畳みかけるようで滑らかな日本語ではありません。
そこでBのお願いのときに「重ねて」と付け加えることで、「さらに別の」という意識も向きます。
また丁寧さも伝わります。
2-2. 念押しするとき
こちらの方が身近に使われるかもしれません。
お願いごとを念押しで、再度相手に伝えるときに使います。
「もう一回言いますが」というと圧迫感があります。
そこを自分を落として、わかっていると思いますが念のためというニュアンスになります。
例文で実例をチェック
実際の使い方を例文で確認をしましょう。
・「資料Aの送付を重ねてお願いいたします」
・「〇日までのご返答を重ねてお願いいたします」
このように取引先から社内まで、広く使える表現です。
入念な確認や依頼であることを示せるほか、丁寧で相手のことも配慮しているのでビジネスでは多岐にわたって使われます。
類似表現はこんなにある!
同じ意味で別の表現もマスターしておきましょう。
まず、さらにもっと丁寧な表現にすると「重ねてお願い申し上げます」と文末も最上級の敬語にすることもできます
さらに
・「度々のお願いで申し訳ございませんが」と依頼内容を続けることもできます。
度々【たびたび】は何度も同じことを繰り返すことを意味します。
・「幾重にもお願いいたします」【いくえにも】も同じことを何度もという意味ですから、依頼のときにも使えます。
まとめ
よく使うビジネス表現「重ねてお願いいたします」ですが、実は奥が深い意味を持っています。
使う場面さえ抑えてしまえば、低姿勢を示しつつ確認や依頼を念押しができます。
うまく使って、確実に手配などを進めていきましょう。