ビジネスにおいても、普段の生活においても、「陰ながら」というフレーズはかなりの頻度で見たことがあるのではないでしょうか?
とは言え、使い方や意味についてはよくわかっていないという方も多いかもしれません。
これより、このフレーズについて詳しく解説していきます。
「陰ながら」とは?
「陰」は「陽(日光)の当たらない場所や部分」あるいは「隠れた場所や部分」のことです。
間違いやすい「影」は、「陽(日光)がさえぎられて出来る形」のことであり、影絵をイメージすればわかりやすかと思います。
この場合の「陰」は「隠れた場所」という意味であり、「ながら」は名詞に付いて「〜ではあるが」という意味です。
つまり、直訳すると「隠れた場所からではあるが」となり、最終的に「表立ってではないが」や「心の中で」あるいは「ひそかに」という意味になります。
「陰ながら」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「陰ながら」は、「陰ながら見守っております」、「陰ながら応援しております」、「陰ながら(上手くいくことを)お祈りしております」というような定型表現で使われます。
総じて「目立たないようにしながらも相手を気にかけている」という意味を出したい時に用いるフレーズと言えるでしょう。
通常は、会話であれ文章中であれ、フォーマルな場面で使う表現となっています。
一方で、「見守る」や「応援」、「祈る」はやや上から目線の言葉であるため、目上の人に使用する場合には注意が必要です。
特に「見守る」は、目上の人を相手にする場合は、使用自体を避けた方が良いでしょう。
また、「応援」は「応援しております」だけでは敬語表現として足りず、「応援させていただきます」という強い謙譲表現を用いるべきです。
同様に「お祈りしております」は「お祈り申し上げます」とするのが良いでしょう。
「陰ながら」を使った例文
「陰ながら」の使用例を挙げてみます。
・『一次選抜突破おめでとうございます。陰ながら一層のご健闘を願っております』
・『起業するという知らせをうかがいました、陰ながら成功をお祈りしております』
「陰ながら」の類語を使った言いかえ
「陰ながら」の言いかえにはどんなものがあるでしょうか。
意味的には「目立たぬよう(に)」、「ひそかに」、「ひっそりと」、「そっと」、「静かに」などの言いかえが考えられます。
「表立ってではないが、とにかく相手を気にかけている」ことを伝えたい場合には、「目立たぬようにではありますが」や「ひそかにではありますが」のように「〜ではありますが」を更に付け加えて表現するパターンもあり得ます。
まとめ
「陰ながら」は、「表立ってではないが相手を気にかけている」ことを伝える場合に用いるフォーマルなフレーズです。
目上の人に使う場合には、「陰ながら」の後に続く「応援する」などの言葉の使い方に注意しましょう。