この記事では、「非常な迷惑をこうむっております」の使い方について分かりやすく説明していきます。
「非常な迷惑をこうむっております」とは?
「非常な迷惑をこうむっております」は、相手のすること・したことに対して、悪い影響を受けていることを伝える丁寧な表現です。
「非常な+迷惑+を+こうむって+おります」で成り立っている語で、「非常な」は形容動詞「非常だ」の連体形、「迷惑」は「ある行為により他の人が不利益を受けたり、不快を感じたりすること」という意味、「を」は接続助詞、「こうむって」は動詞「こうむる」の連用形「こうむり」に、接続助詞「て」が付いた「こうむりて」の音変化で「災いなどを身に受けて」という意味、「おります」は動詞「いる」の丁重語「おる」の連用形「おり」に、丁寧語「ます」が付いた語、全体で「大変な不利益・不快な感情を身に受けている」の敬語表現になります。
「非常な迷惑をこうむっております」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「非常な迷惑をこうむっております」は、相手の言動に対して怒りを表す表現です。
相手からの誠意ある回答がない場合や、迷惑行為を改めない場合には、契約解除や支払いの凍結など、ビジネス的な制裁を加えることも念頭に入れておきましょう。
「非常な迷惑をこうむっております」の正しい敬語表現
「非常な迷惑をこうむっております」の正しい敬語表現は以下の通りです。
『甚だ遺憾に存じます』
「甚だ(はなはだ)」は「普通の程度をはるかに超えている様子」という意味、「遺憾(いかん)」は「不満や不快感があること」という意味、「存じます」は動詞「思う」の謙譲語「存ずる」の連用形「存じ」に、丁寧語「ます」が付いた語です。
政治・ビジネスでは相手に抗議を示す表現としてよく使われます。
「非常な迷惑をこうむっております」を使った例文
「非常な迷惑をこうむっております」を使った例文は以下の通りです。
『貴社の欠品・納品ミスの多さには、非常な迷惑をこうむっております』
仕入れ先や業者が、何度もミスすることに対して抗議する時に使われます。
『貴社の度重なるお支払いの遅延に対し、非常な迷惑をこうむっております』
相手が売掛金・未収金を支払ってくれないことに対して抗議する時に使われます。
「非常な迷惑をこうむっております」の類語や言い替え
「非常な迷惑をこうむっております」の類語や言い替えは以下の通りです。
『大変困惑しております』
「困惑(こんわく)」は「どうしたら良いのか分からず困ること」という意味ですが、政治・ビジネスでは「遠回しに不快感を表す語」として使われます。
『誠に苦慮している次第です』
「苦慮(くりょ)」は「あれこれ考えて苦しむこと」という意味、政治・ビジネスでは「遠回しに不快感を表す語」として使われます。
『業務に支障をきたしております』
相手の行為がもとで、こちらの業務に問題が出てしまっていることを、はっきりと伝えています。
まとめ
今回は「非常な迷惑をこうむっております」について紹介しました。
意味や使い方を覚えておき、いざという時に正しく使える様にしておきましょう。