ビジネスシーンでは、挨拶などの場面において、相手の体調を気遣うフレーズが多用されます。
「風邪などひかれませんよう」もその一例であり、これより解説いたします。
「風邪などひかれませんよう」とは?
「風邪など」ということは、「風邪」に限らず体調を悪化させる「病気全体」について言及しているものと解すのが自然です。
一方「ひかれませんよう」を文法的に解析してみましょう。
「(風邪を)ひく」の未然形「ひか」に、尊敬表現を作る助動詞「れる」の連用形「れ」、丁寧表現の助動詞「ます」の未然形「ませ」、否定の助動詞「ん」の連体形「ん」が順に付いた形になって、更に「〜ように」のかしこまった表現である「よう」が続いています。
よって、「ひかないように」を、尊敬表現と丁寧表現を用いて表していることがわかります。
以上のことから、このフレーズ全体としては、「風邪などをひかないように」という内容を、尊敬並びに丁寧表現で表していると理解出来ます。
「風邪などひかれませんよう」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでこのフレーズが用いられるのは、挨拶などの中で目上の相手の体調を気遣う場面です。
かしこまった表現ですので、基本的にはメールや手紙のような文章の中で用いられる傾向がありますが、口頭で使用されることもなくはありません。
具体的には、「日々寒くなってまいりましたので、風邪などひかれませんようお過ごしください」のように、季節の変化を表すフレーズや、体調管理を促すようなフレーズと共に用いられます。
「風邪などひかれませんよう」を使った例文
それでは、他に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『風邪などひかれませんようご自愛ください』
・『風邪などひかれませんようお気を付けいただきたく存じます』
「風邪などひかれませんよう」の言い替え
「風邪や病気にならないように」という意味合いを出せれば言い替えが成立します。
・「風邪など召されませんよう」
「風邪をひく」の尊敬表現に「風邪を召す」がありますので、それを用いた言い替えです。
・「体調をお崩しになりませんよう」
風邪に限らず目上の相手に関して体調面の心配をしているので、「体調を崩す」という意味の尊敬表現「体調をお崩しになる」と丁寧な否定表現「ません」を使い、言い替えとしています。
まとめ
「風邪などひかれませんよう」とは、目上の相手の体調を心配するためのフレーズです。
季節の変化を表すフレーズや、具体的な相手へ体調管理を促すフレーズとセットで使用される傾向があります。