なにか意見が欲しい場合に、「忌憚のない」という言い回しがよく使われます。
この言葉の意味と、正しい使い方について解説していきます。
「忌憚のない」はどういう意味?
この言葉には、遠慮のない、余計な気遣いのない、という意味があります。
使用例としては「忌憚のないご意見をお聞かせください」のように使われます。
例えば提案した内容について遠慮のない意見が欲しい時、この言い回しを使うことで、気遣いはいらないので思ったことを教えてください、と相手に伝えられるのです。
それを言われた側も遠慮がいらないのならば、と意見を言いやすくなります。
日常的に使われることの多い言葉ですが、ビジネスの場では特に重要な意見交換のために使われます。
これは様々な視点から多くの意見を集めることで、より良いものを生み出すために必要であるためです。
しかしこの言葉を使うにあたり注意する点があります。
それは上司など目上の方を対象に使う場合です。
例えば、上司の方に意見を聞きたいとします。
目下の人間が目上の人間に意見を伺う場合、目上の人間が気を使う必要はあるのでしょうか。
ほとんどの場合、気を使う必要はありません。
むしろ相手を育てるために遠慮なく伝えることは、ビジネスの場において必要なことです。
先述した通り、「忌憚のない」には遠慮のないという意味があります。
遠慮する必要のない目上の方に『遠慮なく意見をください』というのは少し違和感があります。
もちろん、敬語として問題はないので使用したとしても相手に失礼ではありません。
しかしこういう場合は『ご意見いただけませんでしょうか』のように言い換えるのが良いでしょう。
「忌憚のない」を使われた場合について
次は意見を聞かれた場合の返事について解説していきます。
会議等で「忌憚のない意見をお聞かせください」と言われ、否定的な意見ばかりだったとします。
これでは言われた方のやる気も下がってしまいますし、新しい発想も生まれません。
このように意見を問われた場合は、否定的な意見と肯定的な意見の両方を述べてあげるのが良いでしょう。
例えば、ここはこうした方がいいけれど、ここの書き方はわかりやすいね、といった感じです。
言われた側もいい部分と悪い部分がはっきりとわかりますし、いい部分を参考に書き直すことも可能になります。
良い部分がはっきりした方がイメージも膨らみやすく、新しい発想も生まれやすくなるかもしれません。
また、否定的なことばかりでは言いにくいという方も意見しやすくなります。
誰かに意見を問われた場合は、このことを意識するようにしてみてください。
まとめ
ビジネスの場では意見交換も重要な仕事の一つです。
限られた時間を有効に使うためにも、これらのことを意識してみると良いでしょう。