ビジネスにおいては、失敗はあってはならないものという建前がありますが、とは言え何らかのミスは付き物でもあります。
そのミス絡みで出てくる表現の1つに「不手際を起こさないように」というフレーズがあります。
これよりこのフレーズについて詳しく解説していきます。
「不手際を起こさないように」とは?
「不手際」は「ふてぎわ」と読み、意味は「手際が悪い」や「処理の仕方が悪い」というのが辞書的な正解です。
ただ、ビジネス上はそこまで難しく解釈する必要はなく、それほど大きくない「ミス」や「失敗」と捉えれば良いでしょう。
その「不手際」を「起こさないように」という表現ですから、そのまま考えれば「ミスしないように」という意味になります。
「不手際を起こさないように」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「不手際を起こさないように」の基本的な意味が、「ミスや失敗しないように」であることは既に述べました。
しかし、このフレーズがビジネスシーンで出てくる場合、多くは「既に起こした『不手際』について謝罪し、この後は二度と『不手際』を起こさないという意志を伝える」意味があるのです。
ですので、既に起きたミスについて謝罪した後にはじめてこのフレーズが登場するものと考えましょう。
もちろん何らかの理由で、ミスを起こす前から「ミスしない意志を伝える」場合に使うことも理屈上はあり得ますが、かなり例外的な使われ方です。
「不手際を起こさないように」を使った例文
具体的には以下のような表現が考えられます。
・『この度は当社の確認ミスでご迷惑をおかけいたしまして、大変申し訳ございません。今後は同じような不手際を起こさないように注意してまいります』
・『送付いたしました商品の中に不良品が混入しておりましたことにつきまして謝罪申し上げます。このような不手際を起こさないように、より一層精進していく所存です』
謝罪の後に「不手際を起こさないように」が続くのがパターンですが、その後、「そのためにどうするのか」という表現もセットになることが多くなります。
「不手際を起こさないように」の類語を使った言いかえ
「不手際」は「失敗」や「ミス」で一応代用も出来ますが、フォーマルな謝罪文ではやや「軽い」印象を与えてしまう恐れがあります。
その場合、「手違い」「てちがい」、もしくは「不始末」「ふしまつ」などで代用する方が良いでしょう。
「落ち度」や「不注意」も似たような意味ですが、「起こさないように」との相性の関係で不自然な文章になるので不適切です。
文章の表現自体の言いかえであれば、「起こさないように」をより堅い表現にするため、「起こさぬよう」とすることも出来ます。
まとめ
「不手際を起こさないように」という表現は、基本的に「既に発生したミスについて謝罪し、今後は同じミスを起こさないようにする」という意志を伝える場合に用います。
「不手際」は、あまり大きくないミスの時に限定して使うようにしましょう。