「お会いする機会」というフレーズをビジネスではよく見ます。
このフレーズの意味や使い方について詳しく解説いたします。
「お会いする機会」とは?
「お会いする」とは、「会う」の謙譲表現です。
一見尊敬表現に見えますが、尊敬表現は「お会いになる」ですから注意してください。
一方、「機会」とは、「何かをするのにもっとも適した時期」や「丁度良い時」などと一般的には解釈されています。
ただ、「お会いする機会」で使われている「機会」の意味を考えると、「会うのにもっとも適した時期」や「会うのに丁度良い時」とすると、意味が通じないケースが多くなります。
ですから、この場合の「機会」は、単純に「時」や「場合」あるいは「場面」などと考えた方が適切と思われます。
それを踏まえた上で、「お会いする機会」とは、「(私が相手と)会う時」や「(私が相手と)会う場面」を意味する謙譲表現になるのです。
「お会いする機会」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
一般的に「お会いする機会」というフレーズがもっとも出てくるのは、「お会いする機会がありましたら」や「お会いする機会があれば」という表現の中ででしょう。
「(相手と)会うことが(もし)あれば」や「(相手と)会う時が(もし)来たら」という意味合いの表現であり、その後に「(自分は)どうするのか」や「(自分は)どうしたいのか」あるいは「(相手に)どうしてもらいたいのか」といった文章が続くことになります。
ただ、実際には会う可能性が低い場合にも用いられるフレーズで、社交辞令的に使われる場合から、真剣に「再会」を望んでいる場合まで、発言の本気度に注意すべきです。
同様によく見るのが、「(次に)お会いする機会を楽しみにしています」といった形のフレーズではないかと思います。
「再会を望んでいる」という意味の敬語表現ですが、こちらも会う可能性が低い場合でも社交辞令として使われています。
「お会いする機会」を使った例文
それでは、実際の使用例を挙げてみます。
・『もしお会いする機会がございましたら、その際は是非よろしくお願いいたします』
・『今度お会いする機会を心から楽しみにしております』
「お会いする機会」の類語による言いかえ
「お会いする」の類語としては、「お目にかかる」が考えられます。
これもまた「会う」の謙譲表現ですから、代わりに使用するのに全く問題はありません。
また、「機会」については、「時」や「場合」を意味する「際」「さい」で代用できます。
両方を使って言い換えると、「お目にかかる際」となり、こちらも「お目にかかる際には」といった形で頻出のビジネスフレーズです。
まとめ
「お会いする機会」とは、「(自分が)相手と会う時」や「(自分が)相手と会うこと」を意味しています。
「お会いする機会があれば」や「お会いする機会を楽しみにしています」と言った定型表現の中で用いられることが多く、単純な社交辞令として使用されることもあります。