「心苦しい」とは?ビジネスメールや敬語の使い方を徹底解釈

「心苦しい」とは? ビジネス用語

できる限り感情を表にしない方が良いとされるビジネスにおいても、感情を表す表現が使われないわけではありません。

「心苦しい」という表現もその代表例であり、今回はこのフレーズについて解説してみたいと思います。

「心苦しい」とは?

「心苦しい」には、「申し訳ない心の状態」「人を思いやって心が痛む状態」、そして「気がとがめている状態」などの形容的意味があります。

基本的に、相手に対する思いやりが根底にある感情表現と言えるでしょう。

ただ、ダイレクトな感情表現というよりは、どちらかといえば社交辞令的に使われることも多いフレーズです。

相手に寄り添う姿勢を見せることで、相手の感情を和らげたり、相手の自分に対する印象を良くする効果が生まれるからです。

尚、ビジネスはもちろん、日常生活においても使われるので、使い勝手が良い表現と言えます。


「心苦しい」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点

「『心苦しい』は社交辞令的に使われることも多い」と既に説明しましたが、特にビジネスにおいてはその傾向が強く見られます。

よくあるパターンとしては以下の3つのパターンが挙げられます。


相手に都合の悪いことを伝える場合

ビジネスでは、取引相手や社内の他の部署など、相手にとって悪い情報を伝えないとならない場合があります。

例えば、取引相手なら取引の停止だったり値引き交渉、他部署なら業務のやり直しを命じる場合が典型例と言えるでしょう。

「来月以降の仕入れについては、心苦しく思いますが、白紙とさせていただきたいと思います」のようなパターンが考えられます。

相手に何か依頼する場合

相手に何かを頼む時、相手には多かれ少なかれ何らかの迷惑をかけているわけですから、そのことに対して「心苦しい」を使うケースです。

「お忙しいところ大変心苦しいのですが、会議用の資料をご送付いただければ幸いです」のようなパターンがあり得るでしょう。

自分は第三者的に相手を思いやる場合

自分が直接何か関与したわけではないものの、相手が何らかの苦境にある場合に、相手への同情を示すため「心苦しい」を使うこともあり得ます。

「事故に遭われてご入院されたとうかがい、大変心苦しく存じております」のような場合が想定されるでしょう。

「心苦しい」を使った例文

既に挙げた例文の他に考えられるパターンを挙げてみます。

・『大変心苦しいのですが、次回の会食の日程を変更させていただきたく思います』
・『ご多忙中、心苦しいのですが、先日送付いたしました資料に目を通していただければ幸いです』
・『新規プロジェクトが中止になったとうかがい、大変心苦しく思います』

「心苦しい」の類語による言いかえ

言いかえは、「心苦しい」の意味として出てくるような感情表現で言いかえができます。

つまり、「申し訳ない」「心が痛む」あるいは「気がとがめる」などで代用できるということです。

一方で敬語表現にする場合、「心苦しく思います」を基本として、「心苦しく存じます」「心苦しく存じております」というパターンが考えられるでしょう。

まとめ

「心苦しい」とは相手に対して感じる「申し訳ない」「気の毒だ」もしくは「気がとがめる」などの感情を意味するフレーズです。

ビジネスにおいては、直接的な感情表現というよりは、相手を思いやる必要がある場合の定型表現として使われています。

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