ビジネスではフォーマルな表現を使うことが多く、その中でも普段の生活ではまず使わないような表現も見られることでしょう。
「然り」もまたそんな言葉の1つと言え、今回はこの言葉について詳しく解説していきます。
「然り」とは?
「然り」は「しかり」と読み、相手の話や前の話を受けて「同じく」や「その通り」という意味があります。
尚、「然」の「しか」は「そのまま」という意味の副詞です。
「自然」という言葉に「然」が使われていることからもご理解いただけるのではないかと思います。
「然り」は「然」に「有り」という言葉が合体してできたもので、「そのままだ」ということから「その通り」や「同じく」という意味を形成しているのです。
「然り」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスで使われる場合には、以下のような使い方が考えられます。
疑問に対する返答として「その通り」という意味での「然り」
相手からの疑問に「その通り」と答える場合、「然り」が用いられます。
具体的には、「会議の開始時間は14時ですか?」に「然り」で返すようなケースです。
「同じく」や「同様」の意味で使われる「然り」
あることを述べた後、「別の事柄も先に述べたことと同じだ」という意味で用いられます。
具体的には、「関西地方の業績が伸び悩んでいるが、関東地方もまた然り」というようなケースです。
以上が使用される代表パターンですが、いずれにしても「然り」をわざわざ使用する必要があるケースはあまりなく、堅い表現が用いられることが多いビジネスにおいても、積極的に使わない方が良いかもしれません。
「然り」を使った例文
それでは、上記以外の例文を挙げてみましょう。
・『研修の期間は1週間でよろしいでしょうか?』に対し『然り』
・『最近、胃の調子が悪い。腸もまた然り』
・『悪いことは長くは続かないが、逆もまた然り』
最後の例文は、『良いことも長くは続かない』ということを略しているのですが、この『逆もまた然り』は、「然り」が割とよく使われる典型例と言えます。
「然り」の類語による言いかえ
基本的に、「同じく」や「その通り」がそのまま言いかえとして使えますが、別の言葉による言いかえとしては、「如何にも」「いかにも」が考えられます。
これは「その通り」という意味の「然り」の代用表現になります。
ただ、「如何にも」もかなり堅い表現ですので、ビジネス上も普段の生活上もまず使わない言葉と言えるでしょう。
まとめ
「然り」は相手の疑問に対して「その通り」という意味での返答に使われたり、前の文章を受けて「同じく」や「同様」という意味の表現を作ります。
ビジネスでもほとんど使われず、また積極的に使うべきではありませんが、「逆もまた然り」というフレーズは割と使われる表現と言えるでしょう。