退職する方への挨拶や退職祝いの機会は、ビジネスマンであればそれなりにあるはずです。
今回は、そのような場合に用いる「ご退職」という言葉について解説いたします。
「ご退職」とは?
「退職」の意味は、言うまでもなく「仕事を辞めること」です。
また「退職」という単語には、定年退職が典型例ですが、完全に仕事をしなくなる「引退」の意味で使われるケースと、転職などに伴い、単に「今の仕事を辞めるだけ」という意味で使われるケースの両方が考えられます。
一方で、「ご退職」は敬語表現を作り出す接頭辞の「ご」が付いたものですが、この場合は退職する人を高める尊敬表現としての意味で使われています。
「ご退職」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
基本的に退職の尊敬表現ですから、退職する人へのメッセージの中で使われます。
定年退職でよくある退職祝の文面では、「ご退職おめでとうございます」などが典型的な使用パターンです。
尚、寿退職(退社)の場合には、「ご結婚おめでとうございます」というのが通例で、「ご退職」はまず使いません。
転職による退職の場合には、喜びの要素は無しに別れを惜しむ表現にするため、「ご退職すると伺い大変驚いておりますが、新天地でのご活躍をお祈りしております」のような形で用いられるでしょう。
また、「ご退職される」は尊敬の二重敬語になるので使用は不可ですから、「ご退職」とする場合には注意してください。
「ご退職」を使った例文
それでは、「ご退職」を使った他の使用例文を挙げてみましょう。
・『この度はご退職おめでとうございます』
・『ご退職のご連絡いただき恐縮です』
「ご退職」の類語による言いかえ
「ご退職」の言いかえは、「退職」の類語を考えた上で、更にそれを敬語表現にするのが適切かという問題があります。
そうなると、もし言いかえるとしても「ご退社」が考えられる程度であり、更に「退社」の場合には、「帰宅する」という意味で使用されるケースも多いため、かなり微妙な言いかえとなります。
単語ではなく、素直に「退職される」などのフレーズとして言いかえる方が妥当と言えるでしょう。
まとめ
「ご退職」は「退職」を尊敬表現にしたものであり、目上の人の退職に用います。
「ご退職される」などの二重敬語になりやすいので、「ご退職」を使用する場合には注意しましょう。