慰労はビジネスの世界でも重要な気配りの要素です。
「過酷なスケジュールの中」というフレーズも、慰労を中心とした気配り関係の表現であり、これより解説していきます。
「過酷なスケジュールの中」とは?
「過酷」の意味は何となくわかるかとは思いますが、「厳しくむごいこと」です。
ただ、「過酷なスケジュール」という表現の中での「過酷」は、「(スケジュールや日程が)詰まっている」ことを強調した意味と捉えれば良いでしょう。
つまり、「過酷なスケジュールの中」とは「スケジュールが目一杯詰まった状態で」や「日程が目一杯詰まった最中に」と言った意味になるわけです。
「過酷なスケジュールの中」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズがビジネスで使われる意図は、大きく2つに分かれます。
まずは、相手に何か依頼する場合、忙しそうな相手に対する「配慮」として、「忙しいところ申し訳ないが」という意図で使う場合です。
具体例としては、「過酷なスケジュールの中、無理を言って申し訳ありませんが、ご連絡いただければ幸いです」といった形です。
次に考えられるのは、純粋に「慰労」の意味で使う場合です。
「忙しい中で大変でしたね」という意図があります。
更にその「慰労」も、自分が何か頼んだ相手に「実際に苦労をかけた場合の慰労」と、自分は関係なく相手が苦労して何か達成もしくは成功した場合への「称賛としての慰労」の2つに分類できるでしょう。
前者の「慰労」の具体例として、「過酷なスケジュールの中、お願いした通りにご連絡いただきまして、心より感謝申し上げます」のような表現が考えられます。
一方後者の「慰労」の具体例としては、「過酷なスケジュールの中、社会人学生として大学院を卒業されたと伺い、ご立派であるとしか言いようがありません」のような形があり得ます。
「過酷なスケジュールの中」を使った例文
それでは、他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・「過酷なスケジュールの中、会合に出席いただき、大変恐縮です」
・「過酷なスケジュールの中、このようなお願いをすることは心苦しいのですが」
「過酷なスケジュールの中」の類語による言いかえ
まずは「過酷(な)」を類語で言いかえることを考えてみましょう。
既出の「(目一杯)詰まった」や「厳しい」といったもの、あるいは「タイトな」や「ハードな」といった英語系の表現も含めて、かなりの類語が思い浮かびます。
一方で、フォーマルな場面では、英語混じりの表現を使用することは、「軽い」と感じてやや抵抗がある方も多いかとは思います。
ただ、既に「スケジュール」を「日程」の代わりに使っているので、絶対に使用してはいけないという程の禁忌表現ではありません。
相手との関係性も加味して判断しましょう。
次に「日程が厳しい」という全体的な言いかえから考えてみましょう。
オーソドックスに「お忙しい中」や「お忙しいところ」としても悪くはありません。
しかし、「過酷なスケジュール」という大げさな表現を考慮する必要があるとすれば、「多忙を極める中」など、少々オーバーな表現で言いかえるのも手と思われます。
まとめ
「過酷なスケジュールの中」というフレーズは、依頼する際の相手への「配慮」としての意図と、実際に相手が苦労した(と思われる)場合の「慰労」の意図の両方で使用されます。