ビジネスでは、普段はあまり使わないような堅い表現も多く使用されます。
「拝見したところ」もそのようなフレーズの1つであり、詳しく解説してみたいと思います。
「拝見したところ」とは?
まず「拝見」は「見ること」の謙譲表現であり、「拝見した」は、見るの謙譲表現「拝見する」の過去形もしくは完了形です。
「ところ」は、この場合には「丁度その時(後)」や「場面」、「〜の際」または「〜の結果」といった「時間的」な意味で使われています。
これを踏まえると、「見た際」や「見た結果」などという意味の謙譲表現になります。
「拝見したところ」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
何らかの理由で何かを「見た際」に、どうであったかを伝える場合の前振りに使います。
このままだとちょっとわかりづらいので、具体例で説明しましょう。
例えば、上司から印刷前の資料をチェックしてくれとあなたが指示されたとしましょう。
その資料を受け取って読み終わったあとで、「見終わったが、特に問題はなかった」と伝えるのに「拝見したところ、特に問題はありませんでした」とこのフレーズを使えば良いわけです。
「拝見したところ」を使った例文
それでは、他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・『メールを拝見したところ、すぐ状況を確認すべきと思いお電話いたしました』
・『パンフレットを拝見したところ、大変魅力的な商品だと感じました』
「拝見したところ」の類語による言いかえ
「拝見」は、文章中心の媒体を「拝見」した場合には「拝読」「はいどく」で代用できます。
それほど謙譲表現であることを重視しないなら、「拝見する」はシンプルに「見る」で代用した方が良い場面が多いでしょう。
また、他に言いかえるとすれば、「何を目的に拝見したのか」を考えての言いかえです。
例えば「確認するため」に拝見したのであれば、「確認いたしましたところ」と直接言いかえることができるでしょう。
「ところ」の言いかえについては、「際」や「ばかり」もしくは「直後」、または「すぐ」や「〜の結果」といった言いかえが考えられます。
尚、敬語表現の強化としては、「拝見した」を「拝見しました」とより丁寧な表現を加えると良いでしょう。
まとめ
「拝見したところ」とは、「見た際」や「見た結果」もしくは「見てすぐ」などを意味する謙譲表現です。