ビジネスシーンで起こる出来事の多くは、一人だけでどうにかなるものではありません。
「ご協力できることがありましたら」も、そのような現実の中で使われるフレーズであり、これより詳しく解説いたします。
「ご協力できることがありましたら」とは?
「ご協力」とは、「協力」に敬語表現の接頭辞「ご」が付いた形です。
また、「協力」の意味を念の為明確にしておくと、「力を合わせ事にあたること」や「力を合わせ努力すること」です。
この場合、協力する主体は「発言者」ですが、協力することは相手の方向に作用しますので、接頭辞「ご」は敬語表現の中でも尊敬表現と考えましょう。
一方「できること」とは「発言者である自分側ができること」です。
最後の「ありましたら」は、文法的には動詞「ある」の連用形「あり」に丁寧表現の助動詞「ます」の連用形「まし」が付き、更に「仮定」の接続助詞の「たら」が続く形となっています。
この部分の意味は「あったなら(ば)」を丁寧な表現にしていることになります。
以上を踏まえると、このフレーズ全体は、「(もし)自分に協力できることがあったならば」という内容を尊敬表現と丁寧表現を使って丁重に表現したものと言えるでしょう。
「ご協力できることがありましたら」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
おわかりの通り、「ご協力できることがありましたら」は相手に協力を申し出る際に用いるフレーズです。
「ありましたら」と表現していますが、明らかに「ある」場合でもこのフレーズを使う場合があることに注意しましょう。
これは相手に決定権を委ねるという配慮からです。
また、「おそらく協力する必要はない」場合にも、社交辞令としてこのフレーズを使用することがありますが、「明らかに協力する必要がない」場合には、かえって失礼になりますので、使用はやめるべきです。
「ご協力できることがありましたら」を使った例文
それでは、実際の使用例を挙げてみましょう。
・『ご多忙と伺っておりますので、もしご協力できることがありましたら、お声がけください』
・『協力できることがありましたら、何なりとお申し付けください』
「ご協力できることがありましたら」の類語による言いかえ
「協力」の類語としては、「手伝い」が考えられますから、「お手伝いできることがありましたら」というフレーズがまず思い浮かびます。
また、「力になる」というフレーズを用い、「お力になれることがありましたら」も頻出のフレーズでしょう。
更に、敬語表現を強化するという意味で言いかえるのであれば、「ありましたら」を「ございましたら」にするべきです。
「お手伝いできることがございましたら」で、相手へしっかりと配慮した表現に生まれ変わります。
まとめ
「ご協力できることがありましたら」とは、相手に遠慮しつつも、協力を申し出ることを表現したフレーズです。
社交辞令的に用いることも多いフレーズではありますが、相手が全く困っていない時に使うとかえって失礼ですので、注意しましょう。