ビジネスでは、相手への配慮は必須です。
「続いていますが」というフレーズは、そんな配慮の中でもよく使われるフレーズですので、これより詳しく解説したいと思います。
「続いていますが」とは?
まずは文法的にこの「フレーズ」を見てみましょう。
「続いてい(る)」は、「続く」の連用形「続き」に接続助詞の「て」が付き、更に動詞「いる」の連用形「い」が付いた形です。
となると、本来は「続きてい(る)」となるはずですが、「発音しにくい」ことから「き」が「い」になって「続いてい(る)」という形を取っているのです。
この変化の形を「イ音便」と言います。
また、「続く」は「1つの物事が切れずにつながる」という意味であり、「〜てい(る)」という形は「動作の状態」を表しますから、「続いてい(る)」までの意味は、「(あることが)切れずにつながった状態」となります。
更に、ここまで見てきた「続いてい」に、丁寧表現を作る助動詞「ます」の終止形が付き、更に逆接の接続助詞「が」続くのが、「続いていますが」の全体像となります。
つまり、「(あることが)切れずにつながった状態ですが」というのが全体の意味となります。
「続いていますが」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズが頻出するのが、「寒さが続いていますが」や「厳しい暑さが続いていますが」などの気候に絡めた挨拶表現です。
このフレーズの後には、「くれぐれも体調にお気を付けください」や「如何がお過ごしでしょうか」などの表現パターンが続きます。
また、これらの表現は冒頭部分でも締めとしても使用可能です。
当然ですが、このような挨拶形式での使用だけでなく、一般的に何かの状態が継続している場合にも使えます。
例えば、「消費不況が続いていますが、来年の見通しは明るいようです」などと用います。
「続いていますが」を使った例文
それでは、このフレーズを用いた他の例文を挙げてみましょう
・『悪天候が続いていますが、生育状況に問題はないようです』
・『残暑が続いていますが、お変わりありませんでしょうか』
「続いていますが」の類語による言いかえ
この場合の「続く」の類語としては、「継続する」が最も適切です。
尚、「いますが」は、「いる」の謙譲表現「おる」を使って「おりますが」とすると、より丁寧な表現、つまり丁重表現となります。
特にフォーマルな挨拶文の中では、使用頻度が高い表現ですので、よりふさわしい言いかえと言えるでしょう。
以上を踏まえると、「継続しておりますが」という言いかえが成立します。
まとめ
「続いていますが」は、「(あることが)切れずにつながった状態ですが」という意味を表します。
また、天候や気温の「継続」という状況を指して、挨拶文の形式的表現としてビジネスでは使われがちです。