ビジネスでメールが当たり前のように使用されるようになったことで、メールに関するビジネスフレーズも急増中です。
一方、「ご返信のほどよろしくお願いいたします」は、そのようなフレーズの中では定番と言えますが、これより詳しく解説してみたいと思います。
「ご返信のほどよろしくお願いいたします」とは?
「返信」は自分で出したメールへの相手からの「返事」のことで、敬語表現の接頭辞「ご」を付けることで、相手への尊敬語として機能しています。
問題は「ほど」ですが、これ自体に直接的な意味はないものと考えてください。
ただ、このフレーズは見ておわかりの通り「お願い」や「依頼」の文章だということが、「ほど」の理解におけるキーポイントとなります。
確かに「丁寧」にお願いしてはいますが、それでも相手にとっては、「願いを聞いてあげなくてはならない」という圧力がかかることは否定できません。
その「圧力」を弱める意図が「ほど」には込められています。
つまり「無理にお願いを聞いてくれなくても良いですよ」という意味が、暗に含まれているのです。
さて、こちらも「依頼」での定番フレーズ「よろしくお願いいたします」ですが、「よろしく」は元々「よろしい」という形容詞の連用形だったものを副詞として用いています。
「お願い」や「依頼」の場面で使用される「よろしく」にも、それほど強い意味があるわけではなく、相手への好意的な態度を示すための意図があります。
また、「お願いいたします」は、「お願いします」の中にある「し」を謙譲表現の「いたし」にした形になっています。
「し」は「する」の連用形であり、「いたし」は「する」の謙譲表現である「いたす」の連用形です。
つまり、丁寧表現である「お願いします」を更に謙譲表現と組み合わせている、いわゆる「丁重表現」にしたものなのです。
以上を踏まえて、フレーズ全体的には、「返信してくれるようにお願いします」ということを、かなり丁寧且つ柔らかく相手に頼んでいるという意味内容になっています。
「ご返信のほどよろしくお願いいたします」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
相手にメールを送って、更にその返事が欲しい場合に、文末の方で一言添える形で書き込まれるフレーズです。
自分が出したメールについて、相手の意思表示が必要な場合や、意見を求めている場合に、このフレーズが使われます。
「ご返信のほどよろしくお願いいたします」を使った例文
それでは、実際の使用例を挙げてみましょう。
・『来週の会合の出欠確認したいので、ご返信のほどよろしくお願いいたします』
・『お忙しい中、大変恐縮ですが、ご返信のほどよろしくお願いいたします』
「ご返信のほどよろしくお願いいたします」の言いかえ
基本的に「ほど」による「相手への配慮」を意識した、お願いや依頼表現であることを意識する必要があります。
例えば、「ご返信いただけると幸いです」や「ご返信くだされば大変ありがたいです」などとすると、「相手への配慮」と「お願い」の要素をしっかりと詰め込んだ代用表現ができあがるでしょう。
まとめ
「ご返信のほどよろしくお願いいたします」とは、出したメールの返信が欲しい場合に、相手にそれをお願いするフレーズです。
「ほど」を使うことで、相手がお願いを聞くことへの圧力度合いを下げることができます。