人前に物事を提示して「ご覧いただいている通り」と言うことがあります。
これは業務上でも何気なく使われますが、その明確な意味を確かめたことがあるでしょうか?どんな使い方をするかも含め、この表現を考えてみてください。
「ご覧いただいている通り」とは?
物事や景色などについて、説明を挟まなくても見れば分かる様子、見たままの姿を説明する時の表現です。
「ご覧いただく」は、見てもらうことの謙譲表現として使われます。
「ご覧いただいている通り」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
業務では各種の資料を提示したり、建設中のビルの景色を見学してもらったりと、何かを人に見てもらう場面があります。
そのような時に「ご覧いただいている通り」を使って、それを示すことができます。
これはその場にいる人の注目を集め、言葉を飾る効果を持つ表現であり、目上や客人に対して使われる種類です。
使う場合には必ず、目の前に見て欲しい物事が提示されていることが条件となります。
そして「現在はこのような進捗となっています」など、その見てもらっている物事がどんな状態か、説明する言葉などに繋げることが可能です。
ただしご覧いただいていると言いつつ分かり辛い状況や、説明不足は避ける必要があります。
また言い替える場合、「ご覧になられている通り」とも言われがちですが、二重敬語は一般的に容認されるとは言え、誤用なので気をつけてください。
「ご覧いただいている通り」を使った例文
・『ご覧いただいている通り、現在新店舗の建設はここまで進んでおります』
・『昨年の売上状況に付きましては、資料のほうをご覧いただいている通りです』
「ご覧いただいている通り」の類語や言い替え
「ご覧頂いているように」は、通りと同じ意味を現す「様に」を用いて、見て分かる通りについてを敬意を込めて表しています。
「ご閲覧いただいている通り」は、書類を見てもらっている場合に使われる表現です。
「ご観覧いただいている通り」は、風景を見物している場合の言い方となります。
「ご覧の通り」は、いただくを除いて簡易に、敬意を示しつつ見ての通りを表した形です。
「見ていただいた通り」も同じ意味ですが、普段からも使いやすい印象となります。
まとめ
相手に説明をしなくても見れば分かることを伝えるにあたって、「覧いただいている通り」を用いることができるのでした。
その場合には目の前にはっきり、見るべき対象があることが条件です。
見て分かりにくい状況や説明不足になることや、言い換える時の誤用には気をつけて下さい。