今回は「大変ご無理を申し上げて」という表現について解説していきます。
正しい敬語なのでしょうか?詳しく見てみましょう。
「大変ご無理を申し上げて」とは?
「大変」は、「とても」、「非常に」、という意味で、そのあとに続く「ご無理」を強調しています。
「ご無理」は、道理が合わない、無いという意味の「無理」に尊敬表現の「ご」を付けたものです。
「申し上げて」は、「言う」の謙譲語「申し上げる」に接続助詞の「て」を付けた形です。
「大変ご無理を申し上げて」は、先方にとって負担がある、あるいは何らかの手間を取らせるため、迷惑をかけてしまうことを言いますが、という意味になります。
「大変ご無理を申し上げて」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
では、「大変ご無理を申し上げて」はどのように使うのが正しいのでしょうか。
ビジネスシーンにおいて、このフレーズは、先方、つまり顧客、取引先など、または社内の関係者、上司など目上の人などに対して、無理なお願いをする時に使います。
「大変ご無理を申し上げて」の後には、謝罪の言葉か、実際にお願い、依頼する内容が続きます。
社内で使用するケースを考えてみましょう。
日々仕事をする中で、急に納期が早まったり、欠員が出たりして人手が足りない、といった突発的なできごとがあり、誰かの助けが必要になることはしばしば起こります。
そうした場合、通常はその仕事に携わっていないメンバーをヘルプとして呼ばなければならないことになります。
相手が後輩や部下の場合は、丁寧すぎる言葉遣いになりますが、普段はあまり接点がない他の部署や、目上の人に依頼する時には使える表現です。
また、社外の人に使用する場合にももちろん使用できます。
予定していたより納期を早めてほしい、追加で発注したい、修正をお願いしたい、など相手が大変なことになるということを予想できるお願い、依頼をしなければならない状況で使用されます。
いずれの場合も、普段から信頼関係を築けている相手でないと、こうした依頼はできないですし、相手も「この人からの依頼であれば、多少の無理は聞いてあげよう」という気持ちにならないでしょう。
「大変ご無理を申し上げて」を使用した例文
『お忙しい中、大変ご無理を申し上げて誠に申し訳ございません』
『大変ご無理を申し上げて申し訳ありませんが、明日までに追加で◯個納入お願いできますか?』
『お休みのところ、大変ご無理を申し上げて恐れ入りますが』
「大変ご無理を申し上げて」の類語や言い替え
「大変ご無理なお願いと存じますが」、「大変ご無理なお願いとは承知しておりますが」、「ご無理を承知で申し上げますが」などに言い替えられます。
まとめ
「大変ご無理を申し上げて」は、取引先など社外の人や、社内の人に対して、何らかの負担があると思われることをお願いしたい、依頼する時に使用される言葉です。
こうした依頼をするには、日頃から相手と良い関係を保つことが大切です。