社会人にとって常識は必要不可欠ですが、それに限らず知識として持っておかなくてはならないことは数多くあります。
「知っておくべき」もそれに関わるフレーズであり、これより解説いたします。
「知っておくべき」とは?
「知っておく」は、「何かについて知り、その上で覚えておく」という意味であり、知識として常に利用出来る状態にしておくという意味合いがあります。
文法的には、「知る」の連用形「知り」に接続助詞の「て」が付き、そこに「そのままの状態にしておく」という意味の「置く」の終止形(「べし」は終止形に付くため)と、義務の意味がある助動詞「べし」の連用形「べき」が続いた形です。
尚、「べし」が義務を表す場合は通常「べき」として使われます。
また、「知りて」が「知って」となっているのは、発音しやすくするため「り」が「っ」という促音になる、いわゆる促音便変化しているためです。
以上により、「知った上で覚えておく必要がある」ということが、「知っておくべき」というフレーズの内容になります。
「知っておくべき」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
何らかの情報や知識について、「知って覚えておく必要がある」ということを伝えるためのフレーズです。
別の言い方をすれば、ビジネスで役立つ予備知識の重要性を伝える意図があります。
例えば、「親しい関係を構築するため、取引先の社長の座右の銘は会食の前に知っておくべき」のように用います。
尚、「〜しておくべき」は、上から目線のアドバイスとして使われるフレーズであるため、目下か親しい間以外では使用しないようにしましょう。
「知っておくべき」 を使った例文
それでは、上記以外の使用例を以下に挙げてみましょう。
・『この経済理論について知っておくべきだ』
・『知っておくべきことが多すぎる』
・『せめてこれだけは知っておくべき』
「知っておくべき」の言い替え
このフレーズは、「知っておく必要がある」という意味の表現ですので、その意味合いを出せる表現が言い替えになります。
・「予備知識として持っておかなくてはいけない」
「知っておく」を「予備知識として持っておく」と言い替え、義務や必要性は「〜しなくてはいけない」という表現で言い替えています。
尚、「〜しなくてはならない」でも同じです。
・「知っておくことがマスト」
「必須」「ひっす」や「義務」を表す意味で最近よく使われる「マスト」を使用した形ですが、使用はカジュアルな場面に限られます。
勿論、「必須」や「義務」による代用でも問題ありません。
・「頭に入れておいて当たり前」
「知っておく」を「頭に入れておく」で代用し、義務を「当たり前」という表現で代用していますが、こちらもカジュアルな表現です。
まとめ
「知っておくべき」とは、ビジネスでは、ビジネスで活用するために必要な知識を持っておく必要があるという、アドバイスの意味で使われるフレーズです。
上から目線の表現ですので、目上の人や親しくない人には使わないようにしましょう。