ビジネスにおいては、顧客管理は極めて重要であることは言うまでもありません。
「長きにわたりご契約いただき」というフレーズも、それに関するものであり、これより詳しく解説いたします。
「長きにわたりご契約いただき」とは?
「長き」とは、「長い」という意味の古語の形容詞「長し」の連体形であり、この場合は名詞的な扱いを受けています。
「〜にわたり」は漢字表記であれば「〜に渡り」と書き、「〜の間ずっと」という意味があります。
よって「長きにわたり」の部分は、「長い間ずっと」という意味です。
一方「ご契約いただき」は、いわゆる「ご〜いただく」という謙譲表現構文の連用活用であり、「契約してもらい」という意味の謙譲表現となります。
「いただき」と連用形になっている理由は、1つの文章を接続詞や接続助詞抜きに一度意味的に区切るためであり、具体的にはいわゆる「連用中止法」を用いるためです。
以上のことから、このフレーズ全体としては、「長期間ずっと契約してもらい」という内容を謙譲表現にしたものと考えられます。
「長きにわたりご契約いただき」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
サービス業や販売業において、何らかの理由で、いわゆる「お得意様」相手に連絡する場合に用います。
感謝を表す場面の他、謝罪などのネガティブな連絡にも使用され、口頭でも文章でも利用可能です。
また、電話もしくは文章の冒頭、また両方において締めの表現として使用される傾向があります。
このフレーズの後には、「感謝」の表現が続くことが大半であり、「長きに渡りご契約いただきありがとうございます」といった形で使用されます。
「長きにわたりご契約いただき」を使った例文
それでは、このフレーズの使用例を挙げてみましょう。
・『長きにわたりご契約いただき、誠にありがとうございました』
自分側の都合による場合も含め、契約が解消される場合に、これまでの利用への感謝を伝えるために用いられます。
・『長きに渡りご契約いただき、御礼申し上げます』
かしこまった形での感謝表現です。
「長きにわたりご契約いただき」の言い替え
「長きに渡り」をどう言い替えるが最大の言い替え表現のポイントとなります。
・「長らくご愛顧いただき」
「長い間」を「長らく」というかしこまった表現にして、「長期間の契約」という意味合いを、「贔屓」「ひいき」という意味の「ご愛顧」「ごあいこ」で表現しています。
・「久しくご贔屓いただき」
こちらは「長い間」を「久しく」「ひさしく」で言い替えています。
また「長期間契約してもらった」ことを、既出の「贔屓」「ひいき」を使用して言い替え表現としています。
まとめ
「長きにわたりご契約いただき」とは、お得意様相手の連絡に用い、感謝を伝える意図のあるフレーズです。
口頭でも文章でも連絡の際に用いられ、冒頭もしくは締めとして利用される傾向があります。