ここでは「にとりまして」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「にとりまして」とは?
「にとりまして」は、何かにとって、を丁寧にした使い方になります。
「我が社にとりまして、創業10年目になる今年はとても大切な1年になります」のような用い方をする表現で、「にとって」と言い替えても意味が通ります。
そのままそちらを用いても失礼になることはなく、その方が自然なことも多いため、あまり使われる表現ではありませんが、先のような多人数を相手にした挨拶などで用いられる場合に向いており、少しでも丁寧にしようと考えて使われています。
「にとりまして」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「にとりまして」は、「皆様にとりまして、いい年でありますように〜」のように、自分(たち)以外を対象にして使うこともできます。
主として先のような「我が社に〜」などと用いる場合と、そういった時に使われている表現で、それ以外の物体などを表現する時には向いていません。
例えば、「こちらの製品にとって、この部品は重要なパーツの1つです」などという用い方を「にとりまして」と言い替えるのは適しておらず、そのような使い方はまず見聞きしません。
「にとりまして」を使った例文
・『私にとりまして、この本はすごく感銘を受けた一冊です。そのため、同じ作者の本は発売される度に購入しています』
・『本日お集まりいただきました皆様にとりまして、今日の出会いが素敵なものになりましたら幸いに存じます』
「にとりまして」の類語や言い替え
・『につきまして』
こちらは「について」を丁寧にした表現です。
その対象の説明をしたり、つけ加えることがある場合に用いられており、「○○につきましては、特に問題ございません」、「○○につきまして、△△も必要になりそうです」といったような使い方になります。
こちらは「について」を用いるほとんどの場合にその言い替えとして使うことができます。
まとめ
「にとりまして」は、「にとって」を丁寧にした表現として使われています。
ただし、このように使う側、または誰かやその両方といった用い方に適しているため、無機物になる何かの物体を対象にして使うことはあまりありません。