ビジネスシーンに限らず、優劣を表す表現は多く、その中には「優れており」のようなかしこまった表現も存在しています。
今回はこのフレーズについて解説いたします。
「優れており」とは?
「優れており」とは、「優れている」「すぐれている」というフレーズの中の動詞「いる」を謙譲表現「おる」に替え、更にそれを連用形の「おり」としたものです。
以上のことから、「優れている」という一般的な表現を、謙譲表現を用いてかしこまった形にしたフレーズだとわかるのですが、更に注意が必要です。
この表現であれば、この後に何らかの別の表現内容が続くことになりますが、「大変優れており、ご希望に合うはずです」のように接続助詞や接続詞を用いないままで、そのまま別の表現内容が続きます。
これは「連用中止法」と呼ばれる表現技法で、日常的にもよく使われている方法です。
接続詞や接続助詞はあくまで省略されている形ですので、前後の内容に応じて、該当する接続助詞や接続詞を解釈の際に補う必要があります。
「優れており」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでこのフレーズが使われる場合は、何かの性質が優れていることを表現しつつ、その後に何か表現を続ける場合です。
例えば、機器の性能が優れているので、導入することを決める場合には、「この製造機器は性能が優れており、当社の工場に導入することにしました」のような表現が考えられます。
このフレーズでは、理由を表す接続助詞「ので」や「から」が省略されていることがおわかりになるかと思います。
他には、「新製品は旧来品よりも販売価格面で優れており、耐久性も強化された」であれば、「優れていて」という接続助詞の「て」や接続詞「また」が省略されていることが推測されます。
「優れており」を使った例文
それでは、このフレーズの他の使用例を挙げてみましょう。
・『その衣服は機能性に優れており、色合いも私の好みです』
・『その時計は正確性に優れており、鉄道会社に採用されています』
「優れており」の言い替え
「優れている」ことを接続助詞も用いて代用します。
・「秀でているので」
「非常に優れている」という意味の「秀でる」「ひいでる」を用いての言い替えです。
文脈によって接続助詞は変わるので、「ので」は「から」でも「て」でも構いません。
・「抜きん出ているため」
「抜きん出る」は、「他より飛び抜けて優れている」という意味です。
まとめ
「優れており」とは、物事の性質が他より勝っていることを意味するフレーズです。
同時に、「いる」の謙譲語「おる」を連用形「おり」にすることで、接続詞や接続助詞なしに、次の表現内容を続けることが出来る「連用中止法」が用いられたフレーズでもあります。
省略されている接続詞や接続助詞は、「理由」や「付加」を意味するものである傾向が見られます。