昨今のビジネスシーンでは、カタカナ英語や横文字が氾濫しており、わかっているようでわからない表現も増えているのではないでしょうか。
今回扱う「ファクターをクリアする」というもその一例と言えるかもしれません。
「ファクターをクリアする」とは?
一般的に「ファクター」とは、「要素」や「要因」または「因子」と訳されます。
英語のつづりは“factor”です。
一方「クリア」は、「クリアー」と呼ばれることもあり、つづりは“clear”で、意味は「通過(する)」、「突破(する)」「基準を満たす(こと)」、「目標を達成する(こと)」という、動詞とその名詞を意味します。
基本的には、元となる英語本来の意味と日本で使用されている意味はほぼ変わらないと言えるでしょう。
ただし、今回のフレーズの場合は若干違いがあります。
このフレーズにおける「ファクター」は「課題」や「問題点」という意味での使用のため、フレーズ全体の内容も「課題を解決する」や「問題点を解決する」という意味合いになるのです。
「ファクターをクリアする」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスでは、全てが順調に進むようなことは稀です。
特に新しい事業や取引などにおいては、上手く行かないことがよくあり、発生する、もしくは発生が想定される問題点を1つ1つ解決していく必要があります。
このフレーズもそのような状況を前提に使用されるものです。
具体的には、新規事業の遂行における会議において、「取引企業の数が不足しているというファクターをクリアする必要があります」のように用います。
これから起こる問題点や課題についても、あるいは既に解消した問題点や課題についても、表現することが出来ます。
また、具体的な「ファクター」の内容について、その内容が「ファクター」の前に説明されているケースも、具体例のように多く見られます。
「ファクターをクリアする」を使った例文
それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『山積するファクターをクリアすることは簡単ではありません』
・『売上額減少というファクターをクリアする責任があります』
・『眼の前のファクターをクリアすることを無視しては、成功はあり得ない』
「ファクターをクリアする」の言い替え
「問題点を解決する」という意味合いのフレーズで代用します。
・「課題を突破する」
壁のように立ちふさがっていた課題を突き破るという形で解決を表現します。
・「障壁を乗り越える」
「障壁」「しょうへき」とは、「妨害するもの」や「邪魔になるもの」という意味があります。
似たような形では、「ハードルを乗り越える」という表現もあるでしょう。
・「課題を攻略する」
「攻略」「こうりゃく」には、「打ち負かす」という意味があり、これが「解決」の意味で使用されています。
まとめ
「ファクターをクリアする」とは、「課題や問題点を解決する」という意味のフレーズです。
このフレーズでの「ファクター」は、通常の「要因」という意味ではなく、「課題」や「問題点」という意味で使われています。