ビジネスでは、注目していることや気にかけていることを、相手に伝える場面は多いものです。
「気になっておりました」は、そのような場合に用いるフレーズで、これより解説いたします。
「気になっておりました」とは?
まずは「気になっておりました」を文法的に分解してみましょう。
「気になる」の連用形「気になり」に、接続助詞の「て」、「いる」の謙譲表現動詞「おる」の連用形「おり」、丁寧表現の助動詞「ます」の連用形「まし」、そして最後に過去や完了の助動詞「た」の終止形もしくは連体形がそれぞれ接続した形です。
また「気になりて」が「気になって」となっているのは、発音しやすいように「り」が「っ」になった、促音便変化の結果となります。
そして、「気になる」が「関心がある」や「気にかける」という意味であり、「おりました」は「ある状態がずっと続いて現在まであること」を意味するため、このフレーズ全体として、「関心が(ずっと)ありました」や「(ずっと)気にかけていました」という内容のフレーズになります。
尚、「おります」は、聞き手に配慮した敬語表現である、「丁重表現」(強い丁寧表現の一種で、謙譲表現Ⅱとされることもある)と呼ばれる形になっていますので、注意してください。
「気になっておりました」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズがビジネスで使用される場合には、「ずっと興味関心があった」または「ずっと気になっていた」という場合です。
「ずっと気になっていた」というフレーズには、「関心があった」という意味合いも当然あり得ますが、「心配していた」という意味合いも含まれており、区別が必要です。
具体的な使用例としては、「貴社の新製品が気になっておりました」のような場合もあれば、「お身体の具合が気になっておりました」のように、相手の体調を心配するような使い方も考えられます。
「気になっておりました」を使った例文
それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『価格変動の動向が気になっておりました』
・『人事異動の結果が気になっておりました』
・『経済状況の悪化が気になっておりました』
「気になっておりました」の言い替え
「関心がずっとある」または「ずっと心配していた」といった内容の表現で言い替えます。
・「関心を持ち続けていました」
シンプルにそのまま言い替えています。
・「懸念していました」
「懸念」「けねん」とは「不安に思っていること」や「心配」のことです。
・「興味深く見ていました」
「興味を持っていました」と同じ意味の表現になります。
まとめ
「気になっておりました」とは、何かについて関心や興味がずっとあることや、ずっと心配していることを表現するフレーズです。
「おりました」には、「おります」という聞き手に配慮した丁重表現と、過去から現在に至るまでの継続状態を意味する完了表現(〜た)が用いられています。