携帯電話やスマートフォンが普及しているとは言え、未だに企業の固定電話はよく使用されています。
「別の電話に出ております」もその中で使用されるものであり、これより解説いたします。
「別の電話に出ております」とは?
まず明確にすべきは「別の電話に出る」の意味です。
これは、電話の直接の受け手が今出ている固定電話ではなく、かけてきた相手が会話したい対象人物が、自分の携帯電話または別の固定電話に対応することを意味します。
今回のフレーズでは、「出ております」という状態を表す表現で使用されていますので、会社の固定電話にかけてきた相手が本来会話したい人物が、既に他の人を相手に電話していることを表しているのです。
尚、「おります」とは、「いる」の謙譲表現「おる」の連用形「おり」に、丁寧表現の助動詞「ます」が付いた形で、話の聞き手や受け手に対しての強い敬意を表す「丁重表現」と呼ばれる形です。
「別の電話に出ております」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
既に説明した通り、電話のかけ手が会話したい相手が、別の電話に対応している場合に、受け手がそれを相手に伝えるためのフレーズです。
つまり、「あなたが話したい相手は、今はあなたと会話が出来ない状況です」ということを意味しているのです。
基本的に、電話に出られないことを謝罪するフレーズとセットで使用される傾向が見られます。
同時に、このフレーズを使用した場合、「よろしければ、こちらからお電話さしあげるように伝えましょうか」といった、相手目線で提案することがよくあります。
「別の電話に出ております」を使った例文
それでは、このフレーズを用いた使用例を以下に挙げてみましょう。
・『申し訳ありませんが、課長は現在別の電話に出ております』
・『部長は別の電話にでておりますので、後からお電話差し上げるようにお伝えいたしましょうか』
「別の電話に出ております」の言い替え
このフレーズの言い替えとしては以下のような形が考えられます。
・「別件で電話に対応しております」
・「他の方と電話中です」
・「取り込み中です」
「取り込み中」とは「バタバタしている様」を表し、直接「別の電話に出ている」と言わない形で、「電話に出られない」ことを伝えられます。
「手が離せない状況です」
こちらも、電話に出られないことを、「他の人と電話しているから」とはっきり言わない形で伝えられます。
まとめ
「別の電話に出ております」とは、電話をかけてきた人物が本来話したい相手が、別の電話に対応中で話せないことを、受け手がかけ手に伝えるためのフレーズです。