この記事では、ビジネスシーンでよく使われるフレーズの「お褒めに預かり」について、その意味や使い方や敬語表現を徹底解説します。
「お褒めに預かり」とは?
「お褒めに預かり」における「お褒め」の読みは「おほめ」で、「人の行いを評価すること、称賛すること」を意味する「褒める」に、敬意を表す接頭辞の「お」が付けられた言葉です。
また、次の「預かり」の読みは「あずかり」で、辞書によれば「身柄や物品を引き受けてその保管や世話をすること」や 「物事の管理・運営を任されること」や「勝負や争いごとなどの間に入って、一切の処理を任せてもらうこと」とあります。
この「預かる」の意味は、「お褒め」にはどうしても意味が繋がりません。
実はこのフレーズでの「あずかる」は本来は「目上の人から受けることや、こうむること」を意味する同音の「与る」を表記すべきなのです。
しかし「与」の漢字の訓読みの「あずか(る)」は常用漢字外の読みなので、代わりに「預かる」が当てられているのです。
したがって、「お褒め」と「与り」の意味を繋いで、「お褒めに預かり」は「称賛してもらい」といった意味の敬語表現となります。
「お褒めに預かり」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
「お褒めに預かり」のフレーズは、「預かる」の連用形の「預かり」で終っているので、この後ろには「光栄です」や「恐縮です」等の言葉が続けられます。
「光栄です」は「名誉に思います」との意味で、「恐縮です」は「恐れ入ります」との意味です。
先に「あずかり」の表記は「預かり」ではなく、「与り」が正しいと説明しましたが、現在では「預かり」を使うことには全く問題なく、むしろ「与り」は常用漢字外の使い方なので、ほとんど使われることはありません。
「お褒めに預かり」を使った例文
・『お褒めに預かり光栄です。これに甘んじることなく、今後も精進してまいります』
・『お褒めに預かり、誠に恐縮です。これに恥じぬよう努力します』
・『お褒めに預かり光栄に存じます』
「お褒めに預かり」の類語や言い換え
「お褒め」の類語としては「称賛」が挙げられ、「お褒めに預かり」は「称賛に預かり」と言い換えることが出来ます。
また、「預かり」の部分を換えて、「お褒めいただき」や「お褒めくださり」等と言い換えることも可能です。
まとめ
「お褒めに預かり」は「称賛してもらい」といった意味の敬語表現とです。
このフレーズで使われている「預かり」は、本来は「目上の人から受けることや、こうむること」を意味する「与り」と記載すべきですが、「与」の訓読みの「あずか(る)」は常用漢字外なので、「預かる」が代用されているのです。