ここでは「差し引いて」の使い方やその際の注意点、言い替え表現などを詳しく見ていきます。
「差し引いて」とは?
「差し引いて」は、何かの分を引いた状態で、そのような状態にして、という意味になる表現です。
例えば、「商品代金から売り掛けの2万円を差し引いて、1万円を支払いました」といったように使われており、この場合、3万円する商品代金のうち、(便宜上)貸している状態になっている2万円を引いて、残りの1万円だけを支払ったと言っています。
このような数字的なことによく用いられる表現で、ビジネスシーン以外でもこの手の貸し借りがある場合の清算時などではおなじみとなっています。
丁寧にすると、「差し引きまして」や「差し引きました後」のような形になり、使う相手によってはそういった用い方が適している場合があります。
「差し引いて」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
この「差し引いて」は、数字以外を対象にして使うこともできます。
その例としては、「この前手伝ってもらった件を差し引いても頑張って活躍したと思う」などとなり、以前に相手に手伝ってもらった分を借りとしても、それ以上に活躍したつもりだと言っています。
このように用いる場合、数字的に使う時とは異なり、明確にどういう状態になればプラスマイナス0なのかといったことが分からないため、感覚的な使い方になるケースが多いですが、何かの分を引いた状態にするという意味自体に変わりはありません。
先のような丁寧な形にすれば相手を問わず、口語、文章のどちらでも使うことができるので、色々な場面で挙げたような用い方をされている表現です。
「差し引いて」を使った例文
・『12個のご注文のうち、先に納品しました3つを差し引いて、残りの9個を明日お届けします』
・『急な依頼になってしまったという点を差し引いても、さすがに少し乱暴な対応だったと思う』
「差し引いて」の類語や言い替え
・『相殺して』
この「相殺」は、差し引きを行うことという意味になる言葉です。
よって、「売り掛けの分と相殺して、残りを〜」といったような用い方になり、「差し引いて」を少し難しくした表現だと考えていいでしょう。
主に数字的なことに用いられていますが、好意や恩といったものを対象にして使うこともできます。
まとめ
「差し引いて」は、何かの分を引いて、という意味になります。
数字を対象にする時には明確にその結果として使うことができますが、目には見えない相手からの好意などをそれとして用いる場合、感覚的な使い方になるため、必ずしもその結果(とされるもの)が正しいとは限りません。