ビジネスでは相手を納得や説得させられるかが、成功や失敗を避けるために極めて重要な要素となります。
「あらためて事情を」というフレーズもそのような流れの中で使われるものであり、これより解説いたします。
「あらためて事情を」とは?
最初の「あらためて」の部分は漢字も使用すると「改めて」となります。
意味としては「後で」や「再度」または「更に」や「別の機会に」という意味のかしこまった表現と考えましょう。
ただし、「後で改めて」という形で、「後で再度」や「後で更に」というような意味での、一見二重表現のような形で使用されても、意味が違いますので問題ではありません。
一方「事情」とは、「物事がそうなった理由」や「物事がそうなった背景」という意味合いで使用されます。
よって、「あらためて事情を」というフレーズの意味は、「後で物事がそうなった理由を」や「別の機会に、物事がそうなった背景を」といった内容です。
当然ながら、このフレーズの後に「説明します」や「伝えます」または「お聞きします」といった類のフレーズが更に続くことになります。
「あらためて事情を」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズがビジネスシーンで見られるケースとしては、相手に対して丁寧に事情を説明する必要がある場合、もしくは説明を受けたい場合です。
概ね考えられるのは以下のパターンとなります。
・「現時点で詳しい事情がわからない場合」
これは、事情がはっきり把握出来てないため、はっきりしてから説明したい、聞きたい場合です。
「現時点では詳細が不明のため、あらためて事情を説明するつもりです」といった使用例が考えられます。
・「現時点で事情を説明する、もしくは聞く余裕がない場合」
事情はわかっているが、詳しいことを説明している時間が自分もしくは相手にない場合です。
「恐れ入りますが、急用が入ったため、あらためて事情を伺います」のような形での使用があり得るでしょう。
・「しっかりとした形で事情を説明したい、もしくは聞きたい場合」
正式な形や場で事情を説明したい、または聞きたい場合です。
「あらためて事情を記者会見で説明いたします」のように用います。
・「いよいよ説明する段階に来た場合」
これは、これ以前の3ケースにおいて後回しにした事情説明や聴取を、いよいよ実行する段階になった際の前振りとして使われる場合です。
「おまたせしました。これよりあらためて事情を説明いたします」のように用います。
「あらためて事情を」を使った例文
それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。
・『この場を借りてあらためて事情を説明いたします』
・『改めて事情を伺ってもよろしいでしょうか』
「あらためて事情を」の言い替え
「あらためて」の各意味や「事情」をどう言い替えるかがポイントとなります。
・「別の機会に経緯を」
「事情」を「経緯」「いきさつ」で代用しています。
・「後ほど事の次第を」
「事の次第」とは、「とある物事が結果としてそうなったことの背景や経緯」という意味ですので、事情の言い替えになります。
まとめ
「あらためて事情を」とは、何らかの制約や問題から、その場で物事の経緯や背景を説明出来ない、または聞けない場合に、後でそれを行うつもりがあることを示唆する場合に用いるフレーズです。
場合によっては、後回しにした説明や聴取を実行する際の、前振りのフレーズとして使用されることもあります。