人に問いかける言葉の中には、「ありませんでしたでしょうか」とのフレーズがあります。
しかしこの表現は、公の場では使うべきではないとも言われる種類です。
その理由は何なのか、どう言い換えたら良いかなど気になるところを確かめてみましょう。
「ありませんでしたでしょうか」とは?
何かの物事について、不都合と感じることや状態がなかったかと、相手に問いかける時の表現です。
「ありませんでしたでしょうか」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
業務中の色々な物事に対して、接する相手が何らかの思いをいだいている可能性があります。
例えば何らかの問題が発生すれば、相手は不快に思うわけです。
そうした気持ちや状態がないかと、相手に問いかけて答えを引き出す時に「ありませんでしたでしょうか」が使われます。
これは他にも違和感や不快感などネガティブな思いの他、「お気づきの点」やポジティブな思いについても使うことが可能です。
ただし「ありませんでしたでしょうか」という表現は、違和感が強いと言われています。
それはこの表現が「ありません、でした、でしょうか」という敬語を3つ重ねている三重敬語であるためです。
文法的には間違いではないとは言え、二重、三重敬語は避けるべきと言われています。
そのため正式な場ではこれを使わないほうが無難であり、普段でも言い換えるほうが適切でしょう。
「ありませんでしたでしょうか」を使った例文
・『今回のやりとりの中で、何か不都合なことはありませんでしたでしょうか』
・『この文書に間違った点がありませんでしたでしょうか』
「ありませんでしたでしょうか」の類語や言い替え
「ございませんでしたか」は、ありませんについて丁寧に言う「ございません」を用いて、同じ意味になる表現です。
これは二重敬語ではありますが、一般的に敬語の中で許容されている表現となります。
「ございませんでしょうか」についても、なかったかどうかを問う、同じ意味の言い方です。
これは「ございませんでしたか」や「ありませんでしたか」と端的に述べることでも支障ないでしょう。
「なかったでしょうか」についても、ありませんでしたかと同じ意味となります。
まとめ
相手が心にいだいている思いを引き出す目的などで、「ありませんでしたでしょうか」を使うことができます。
しかしこれは三重敬語にあたるので相手に違和感を持たれやすく、公の場では使わないほうが無難です。
言い換える場合には「ございませんでしたか」など、違和感のない言い方を選んでみてください。