相手を気にかける表現は、人間関係を構築する上で重要なものですが、「くれぐれもご注意ください」というフレーズもそれに関するものです。
今回はこのフレーズについて解説いたします。
「くれぐれもご注意ください」とは?
「くれぐれも」は漢字も使用した表記だと「呉呉も」となります。
このフレーズは、依頼やお願いの表現で使う場合には、「何度も心を込めて」という意味で使用されます。
一方、相手を気にかける意味で使用される場合には、「何度も繰り返し〜して欲しい」という意味で使用され、今回の「くれぐれもご注意ください」もこれに該当します。
「ご注意ください」は、依頼の尊敬表現でよく用いられる「ご〜ください」という構文であり、「ご注意ください」は「注意してください」という尊敬表現になります。
つまり、このフレーズ全体の意味は、「何度も繰り返し注意してください」ということになります。
「くれぐれもご注意ください」の使い方や使われ方、使うときの注意点
相手に対し、体調を気にかけたり、失敗しないように注意を促す意味で使用されます。
あくまで相手のために注意を促す意味で使われるので、本人以外への影響を考えてのものではありません。
例えば体調面で注意を促す場合には、「風などひかないように、くれぐれもご注意ください」や「お怪我などされないよう(に)、くれぐれもご注意ください」などと使われます。
一方で、失敗しないように注意を促す場合には、「記入箇所が多いため、記入漏れが無いよう、くれぐれもご注意ください」といった形での使用が考えられるでしょう。
ただ、多少「上から目線」の要素を感じさせてしまう表現でもあるため、あくまで相手のためを考えているという意識で使うべきフレーズです。
「くれぐれもご注意ください」を使った例文や文章
それでは、他に考えられる実際の使用例を挙げてみましょう。
・『階段が雪で滑りやすいので、下りる際にはくれぐれもご注意ください』
・『インフルエンザが流行中ですので、感染しないよう(に)くれぐれもご注意ください』
「くれぐれもご注意ください」の類語や言い替え
「くれぐれも」については、「何度も繰り返して」という意味がありますので、その意味でそのまま代用するか、「細かい点まで気を付けて」という意味のある「念入りに」や「入念に」を使った言い替えが適切な形と言えるでしょう。
一方で、「ご注意ください」については、体調面では「ご自愛ください」、失敗を避けるように求める場合には「お気を付けください」で言い替えられます。
当然ながら、「お気を付けください」は体調面を気遣う場合でも使用可能です。
以上のことから、「念入りにお気を付けください」や「入念にご自愛ください」が言いかえ表現の候補となります。
まとめ
「くれぐれもご注意ください」とは、相手のためを思って、健康面に気を付けるように、あるいは失敗をしないように相手に強く注意を促す尊敬表現です。
あくまでも相手に配慮する意図のある表現ですが、場合によっては上から目線と受け取られかねないので、使用時にはその点に注意しましょう。